エイズ感染・発症に伴うU6抗原の動態と意義の解明ーSIV_<Mac>に感染・発症したサルを用いたエイズの新しい指標の解析
Project/Area Number |
03219102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 淳夫 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80091916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 鐐三郎 国立予防衛生研究所, 筑波支所, 主任研究員 (90133040)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | エイズ(AIDS) / SIV_<mac> / SIV_<AGM> / CD4細胞 / DP細胞 / 発症防御 / アカゲザル / アフリカミドリザル |
Research Abstract |
サルに対するSIV感染実験 サルにためするSIVの感染実験を引き続き行った。3歳から5歳までのアカゲザル雄5頭にSIV_<mac>251を1.5×10^4TCID^<50>およびウイルスが感染した自己リンパ球1.5×10^6個を接種したところ、4頭が発症し41週から103週までに安楽死させた。どの発症ザルにおいてもCD4/CD8比の減少が見られ、また体重も12%から30%まで減少した。発症サルは、CMVやS.aureusおよびP.cariniiなどの日和見感染が見られ、2頭にはリンフォ-マが発生した。我々が新しく発見したU6抗原は、CD4細胞の殆ど、B細胞の一部などに存在し、発症ザルの症状が重くなるとCD4細胞よりU6抗原が選択的に減少する傾向が見られたが、今回この現象から重篤ー死亡にいたる個体を予測することに成功した。 アフリカミドリザルの免疫学的特徴とSIV発症防御 アフリカミドリザルより分離同定されたSIV_<AGM>は、エイズウイルス群の中でも系統的古いとされており、また野生ミドリザルの数10%が感染しているにも拘らず、いまだ発症の報告がない。今回我々は、ミドリザルの末梢リンパ球の組成を調べ、このものがCD4単独陽性細胞を持たず、すべてCD8陽性のDP細胞であることを見出した。この末梢DP細胞は活性化されるとCD4抗原を消失する。しかし、培養によりCD4抗原を消失し、CD8単独陽性になった細胞でもヘルパ-作用は持っていた。またDP細胞と培養によりCD8のみ陽性になった細胞にSIV_<AGM>を接種したころ、RT活性ではDP細胞のみ陽性であった。すなわち、アフリカミドリザルCD4細胞(DP細胞)にSIVが感染ないしは接触するとCD4抗原は消失し、感染の広がりを阻害し、一方で免疫担当細胞を保全している可能性があると考えた。以上から、我々はアフリカミドリザルは進化学的に長期に渉るSIVとの闘いの過程で、SIVに感染しても発症しない機構を獲得した可能性があると結論づけた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)