Project/Area Number |
03222101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 典弘 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (60132982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 利男 新潟大学, 医学部, 助手 (50143764)
松本 健一 国立遺伝学研究所, 助手 (30202328)
坂本 博 京都大学, 理学部, 助手 (00187048)
大塚 栄子 北海道大学, 薬学部, 教授 (80028836)
菊池 洋 三菱生命研, 主任研究員
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥27,600,000 (Direct Cost: ¥27,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥27,600,000 (Direct Cost: ¥27,600,000)
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Keywords | RNA / スプライシング / イントロン / ドロソフィラ / 転移RNA / レトロポゾン / 性決定 / 反復配列 |
Research Abstract |
動物界に存在する転写される反復配列は、ほとんどがtRNAを起源としていることが明らかになったが、そのレトロポゾンとしての性質を利用し、進化の特定の時期に増幅した反復配列をカタログ化することにより、100%間違いのない系統樹を作成出来ることが明らかになった(岡田)。レトロポゾンの転移の機構に関して、「コピア」の逆転写の際に、イニシエ-タメチオニンtRNAの5'半分子が、M1ーRNAにより切断されプライマ-として用いられることを示し、さらにこのtRNAのコンフォメ-ション変化に影響を与えると思われる変異体を作成し、このtRNAがクロ-バ葉構造以外の構造を取りうることを明らかにした(菊池)。 イントロンとスプライシングに関しては、いくつかの重要な研究の進展が見られた。ショウジョウバエの性決定の過程において、Sx1遺伝子からオルタナチブスプライシングにより生じた雌型の産物が、Tra遺伝子のmRNA前駆体に結合し、雌型のmRNAを生じさせること、更にこの雌型のTra遺伝子産物が、Dsx遺伝子のmRNA前駆体に結合し、雌型のmRNAを特異的に産生することが示された(坂本、志村)。前者の結合が、雄型に対して阻害的に働くのにたいし、後者の結合が雌型にたいして増強的に働くことがしめされ、これはオルタナチブスプライシングの制御機構が分子レベルで明らかになった最初の例である(坂本、志村)。スプライシグに関与するU6RNAのなかでも、分裂酵母のU6RNA中にはmRNA型のイントロンが存在することが明らかにされていたが、今回U6RNAのイントロンの存在する場所が、ある種の植物ウイルスの自己切断部位の構造と極めて良く類似していることを明らかにした(谷)。HTLVー1のmRNA前駆体のスプライシングを制御するRex蛋白質が、U1snRNPとの相互作用によってmRNA合成を制御することが、Rex変異体を用いた分析から明らかになった(志田)。ショウジョウバエの極細胞の生殖細胞への分化の過程において、生殖細胞特異的なスプライシングを起こすことの出来る極細胞のみが、生殖巣に進入し始原生殖細胞に分化しうることが明らかになった(小林)。グル-プIイントロンのRNAが、M1ーRNAの基質になることが示されたが、その切断部位がグアノシン結合部位であることを考えると、グル-プIイントロンtRNAとの共通の起源を示唆しているようで興味深い(岡田)。
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