哺乳動物ゲノム由来遺伝子に見いだされた翻訳フレ-ムシフトの分子機構
Project/Area Number |
03222203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50192753)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | オルニチン脱炭酸酵素アンチザイム / 翻訳フレ-ムシフト ポリアミン / 翻訳調節 / 遺伝子発現 / 無細胞蛋白合成系 / エドマン分解法 / mRNA高次構造 |
Research Abstract |
オルニチン脱炭酸酵素アンチザイムのmRNAは本蛋白質をコ-ドできるオ-プン・リ-ディング・フレ-ム(ORF)を欠き、翻訳に際してフレ-ムの変更が必要な特殊な構造を持つ。cDNAより合成したアンチザイムmRNAをウサギ網状赤血球溶血液で翻訳させ産物のN末端構造を放射エドマン分解法で解析したところ、翻訳開始部位をコ-ドするフレ-ムはC末端側のフレ-ムとは異なることが確認された。また翻訳後回収したmRNAを逆転写酵素ーPCR法でシ-クエンスした結果、mRNAの一次構造の改変は認められず、フレ-ムの変更はリボソ-ムシフトによると結論された。これは真核生物の細胞遺伝子として最初のフレ-ムシフト遺伝子である。フレ-ムシフトの効率はポリアミンの添加によって著しく促進され最大30%に達した。 次に5'側からの段階欠失mRNAの翻訳を調べ、フレ-ムシフト部位は第1のORFの最下流の終結コドンを含む6コドンの範囲に存在することを明らかにした。しかしコ-ド領域の5'端100塩基の範囲の欠失により翻訳効率は著減し、このmRNA領域またはその翻訳産物がフレ-ムシフトを促進することが示唆された。フレ-ムシフト部位には既知のフレ-ムシフト遺伝子との相同性は見つからなかったが、その3'側の隣接部に高次構造(pseudoknot・ヘアピンル-プ)をとる領域が存在し、フレ-ムシフトやその調節に関与する可能性がある。 さらに逆転写酵素ーPCR法を用いてヒトアンチザイムmRNAの塩基配列を決定した。コ-ド領域におけるラットmRNAとの相同性は85%であったが、ラット同相翻訳にはフレ-ムシフトが必要であるとともに、上記の高次構造は保存されておりその重要性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)