Project/Area Number |
03223208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
郷 信広 京都大学, 理学部, 教授 (50011549)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 立体構造 / ダイナミックス / シミュレ-ション / 状態遷移 / ミオシン |
Research Abstract |
ミオシン分子は、ATP1分子を分解して得られるエネルギ-を分子内に蓄え、それを徐々に放出することによりアクチン繊維上を滑り運動する。1分子内にいかにしてエネルギ-を蓄え、いかにして徐々に運動エネルギ-に変換し得るのか。これが滑り運動の最も基本的な問題と捉える。この問題に対する解答の鍵は、蛋白質分子の立体構造のダイナミックスにあると考える。運動は分子の位置の変化であり。祖路を分子自身が引き起こすためには、分子の形の変形が関与していると考えるのが自然であろう。立体構造のダイナミックスを考えた理由はそこにある。 以上の観点から蛋白質分子の立体構造の運動を計算機シミュレ-ションの手法を用いて研究した。その結果、通常の蛋白質の動的立体構造には、一見矛盾する2つの側面、すなわち、基準振動解析によって性質が説明し得る調和的或いは固体的な側面と、ポテンシャルエネルギ-局面に多数の極小点が存在する事を反映する非調和的或いは液体的側面が共存することが解った。この2つの側面を有する運動の特徴を、分子全体の動きを表す共同変数の運動として捉え、特に蛋白質が水中に存在する場合の特徴を解析した。その結果、20cm^<-2>程度以思下の振動数を持つ大振幅共同運動は、水の中では、振動的ではなく、ランダムな拡散的な振舞いをすることがわかった。さらにそのような共同運動に対するポテンシャル・エネルギ-曲面に、水による溶媒和の自由エネルギ-を加えると、新たに多くの局所極小が生み出されることがわかった。
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