Project/Area Number |
03225203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤澤 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 隆子 旭川医科大学, 医学部, 教務職員 (70101417)
亀下 勇 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (60127941)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素 / 中枢神経機能 / カルシウムイオン / 自己燐酸化 / 多機能性蛋白質燐酸化酵素 / ニュ-ロトランスミッタ- / チロシン水酸化酵素 / カルモデュリン |
Research Abstract |
カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素II(キナ-ゼII)はカルシウム/カルモデュリンによって活性化される多機能性蛋白質燐酸化酵素で、カルシウムイオンによって制御されるいろいろな中枢神経機能の調節に関与していると考えられている。ド-パミンやノルアドレナリンの合成速度を決めているチロシン水酸化酵素や、セロトニンの合成速度を決めているトリプトファン水酸化酵素を燐酸化して活性化し、モノアミン性神経伝達物質の合成を調節したり、シナプシンIを燐酸化して神経伝達物質の開口分泌の機構にも関与していることが報告されている。キナ-ゼIIは神経細胞内にカルシウムイオンが流入したときに活性化されて作用すると思われるが、その活性化は自己燐酸化反応による複雑な機構によって行われている。キナ-ゼIIはカルモデュリンの存在下カルシウムイオンに曝されると、速やかにN末端から286番目のスレオニン残基を燐酸化して自己を活性化する。同時に、基質蛋白質に対する親和性は低いながらカルシウム/カルモデュリン非依存性活性をも発現する。一過性に細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇しキナ-ゼIIが活性化された後で、例えばカルシウムオッシレ-ションに見られるようにすばやくカルシウムイオン濃度が低下すると、キナ-ゼIIはN末端から305番目の丁度カルモデュリン結合部位に存在するスレオニン残基を燐酸化して完全にカルシウム/カルモデュリン非依存性状態になると思われ、興味深い。他方、脳に特異的に分布しているカルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素IV(キナ-ゼIV)をラットの脳から精製し性質を検討した結果、キナ-ゼIIと同様に基質特異性の広い多機能性蛋白質燐酸化酵素であることが明らかになった。カルシウムイオンによる中枢神経の機能発現とその制御にキナ-ゼIVがキナ-ゼIIとともに重要な働きをしていることが考えられる。
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