軸索成長円錐の神経伝達物質放出能に関する「成熟化」の発達生物学的アプロ-チ:シナプス〓終末モデル系の確立
Project/Area Number |
03225204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小宮 義璋 群馬大学, 医学部, 教授 (50010046)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 成長円錐 / シナプス / 蛋白燐酸化 / シナプトファイシン / MAP‐2 / 神経伝達物質 / ムスカリン性アセチルコリン受容体 / 軸索 |
Research Abstract |
胎生17日目(E17)から生後5日目(P5)にかけてのラット前脳より蔗糖密度勾配遠心法を用いて神経成長円錐粒子(Growth Cone Particle,GCP)を単離した。また単離したGCPを低張の緩衝液で処理することにより,神経成長円錐膜(GCM)画分を得た。これらの画分についてその生化学的及び薬理学的性質につき検討を加え,その画分の均一性と成長に伴なう変化について以下のような結果を得た。 1.GCPの蛋白組成,Ca^<2+>依存性蛋白燐酸化パタ-ンはE17からP5にかけて殆ど変化を示さなかった。 2.GCMにおける蛋は質重量当りの燐脂質及びコレステロ-ル含量は日齢が進むに従って低下してゆく傾向が認められたが,成熟ラットより精製したシナプトソ-ム膜画分に比べるとまだ高い値を示した。また何れの日齢においてもコレステロ-ル/燐脂質の比率はほぼ一定であった。 3.成熟シナプスのマ-カ-とされているシナプトファイシンに対する抗体を用いた免疫ブロッテイング法によりE17からP5にかけてのGCP画分には殆どシナプトファイシンは検出できなかった。しかしGCPよりやや比重の大きな“B"画分ではかなりの量のシナプトファイシンを検出することができた。即ち成長円錐は,シナプスへと成熟してゆく過程でその比重が増加してゆくことを示唆しているのであろう。 4.樹状突起のマ-カ-である微小管附随蛋白‐2(MAP‐2)及びRNAの量はE17からP5にかけて何れの日齢においても検出されなかった。即ちこの期間に得られるGCPは樹状突起性成分を含まない軸索に由来する均一な性質を持っていると推定される。 5.この期間中に得られるGCMにはムスカリン性アセチルコリン受容体が他の膜画分に比較して高濃度に発現しており,神経伝達物質が神経回路網の形成になんらかの役割を果たしている可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)