Project/Area Number |
03225206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立花 政夫 東京大学, 文学部, 助教授 (60132734)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | シナプス / カルシウム電流 / 細胞内カルシウムイオン / 伝達物質 / 興奮性アミノ酸 / 網膜 / 網膜双極細胞 / パッチクランプ |
Research Abstract |
キンギョ網膜からタンパク質分解酵素を使って単離したON型双極細胞を用いて、Caー伝達物質放出連関を調べた。バッチ電極によるホ-ルセルクランプ法を適用してCa電流の性質を解析したところ、高閾値型・ジヒドロピリジン感受性Ca電流のみが存在することが明かとなった。このCaチャネルがどの細胞部位に存在するかを検討するために、蛍光性Caインジケ-タであるFura‐2を使って細胞内Caイオン濃度の変化を画象解析した。Ca電流が活性化されると、細胞内Caイオン濃度は軸索終末部において急激に増加したが、細胞体では遅延性の僅かな増加しか認められなかった。脱分極パルス終了後、細胞内Caイオン濃度は軸索終末部では直ちに減り始めたが、細胞体ではしばらく増加が続いた後ゆっくりと減少した。この結果は、軸索終末部に局在するCaチャネルを介して流入したCaイオンが、軸索を通って細胞体にまで拡散したことを示唆している。軸索終末部のジヒドロピリジン感受性Ca電流が伝達物質(興奮性アミノ酸)の放出にどのように関与しているかを検討するために、双極細胞のCa電流を記録すると同時に、興奮性アミノ酸の放出を双極細胞の軸索終末部に密着させたアメリカナマズの単離水平細胞を使って電気生理学的に検出した。双極細胞を脱分極すると、双極細胞からCa電流が活性化され、数ミリ秒遅れて水平細胞から電流応答(伝達物質応答)が記録された。Ca電流と伝達物質応答は、ジヒドロピリジン系の拮抗薬で阻害されたが、オメガコノトキシンによってはなんら影響を受けなかった。また、Caイオンの流入量と興奮性アミノ酸の放出量との関係は飽和型の上に凸な増加関数となった。以上の結果から、キンギョ網膜のON型双極細胞では、ジヒドロビリジン感受性のCaチャネルが軸索終末部に局在し、その活性化によるCaイオンの流入が興奮アミノ酸の放出を制御することが明らかになった。
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