Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 雅夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016568)
柳井 浩 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (60051447)
鈴木 久敏 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (10108219)
今野 浩 東京工業大学, 工学部, 教授 (10015969)
佐々木 尚人 筑波大学, 社会工学系, 教授 (70053618)
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Research Abstract |
高度技術社会においては,世界規模での急速な情報の伝達によって,先端科学技術に対する要望は世界的規模で急速に広まる。しかし、すべての地域で,その無批判な導入は資源や環境の面からも許されないことである以上,国内的・国際的に整合のとれた技術の発展が望ましい。 このため,技術移転の社会的・工学的経済効果についての定量的な見積りは,高度技術社会のパ-スペクティブを得ようとするためには,避けて通れない課題である。本研究課題では,まず現存する技術移転の様々な課題を探りながら,技術移転のもたらす経済効果をダイナミックに記述する数理モデルの構築を目標に,いくつかの面からの接近を試みた。 昨年度の研究成果より,本年度の研究テ-マを,(1)発展途上国への技術援助の視点から技術移転の諸条件や環境などの分析,(2)技術援助政策を評価するための数理モデルの作成,(3)先進諸国間の技術競争となっている知的財産権問題の分析の3つに絞った。本年度の主たる研究成果は以下の通りである。(1)昨年に引き続き,発展途上国への技術援助に関して文献を整理し,有用なデ-タの収集に努め,今後の利用の便宜のため,計算機にデ-タを入力した。(2)援助政策評価のため,技術先進国と技術中進国の2国間での生産協力と技術移転との関係を表現した数理モデル構築した。その結果,中進技術に生産可能な部品の最終製品に含まれる割合が,技術中進国での失業等の問題を解決する主要な影響因子であることが分かり,先進国から中進国へ移転すべき適切な技術が,上記の割合を向上させる技術,すなわち,部品製造技術や組立技術であり,ハイテク商品の製造・開発技術ではないことが判明した。さらに,(3)については,AT&TのKarmarhar特許問題を中心に,先進国間での技術移転でもっとも激しい争点となっている知的財産権問題に関して,国際数理計画学会アピ-ル等を中心に調査し,研究報告として纒めた。
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