Project/Area Number |
03230109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
金関 恕 天理大学, 教養部, 教授 (90068685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 忠司 京都文化博物館, 学芸員
菅谷 文則 奈良県立橿原考古学研究所, 調査1課長
甲元 真之 熊本大学, 文学部, 助教授 (70072717)
渡辺 誠 名古屋大学, 文学部, 教授 (20072712)
西谷 正 九州大学, 文学部, 教授 (20037005)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 考古学 / 自然環境 / 食料資源 / 水稲耕作 / 人口移動 / 日本列島 / 東南アジア / 海南島 |
Research Abstract |
研究第1年目に当たる本年は各研究者がそれぞれの専門分野に応じて、日本列島については時代別に、また東アジアについては地域別に、対象の特性を把握することに努め、成果を発表、討議して相互理解に資した。 20〜30万年の継続期間のある日本の旧石器時代、すなわち岩宿時代は前・後期に分けられる。後期の前半期にはナイフ形石器文化が、後半期には細石刃文化が栄えた。細石刃文化期になると遺跡の分布によって人口の60%は北海道に集中したことが知られ、発達した森林ステップの環境で繁殖するバイソンの猟が主要生業であったと見られる。 次の縄文時代への変化は、時間的には急速でないとしても、温暖化した自然環境と多様化した文化内容の点で岩宿時代と対照的な時代への移り変わりである。土器の製作、漁業の開始、アクぬき技術の開発による堅果の利用は縄文時代の開始を告げる。寒・暖流の交錯する日本近海で漁業は発達したが、海岸線の地形に左右され沿岸・近海漁業などその形態はさまざまであった。堅果は主要食糧資源となったが、南北に長い日本列島では植生に差異がある。漁業と植生帯などの組み合わせによって、土器型式が象徴するいくつかの生活圏が形成された。したがって、多様な縄文文化の内容を安易に概括し、弥生文化と対比することはできない。 水稲耕作の伝来と共に人口は急激に増加した。弥生時代に培われた新しい思想や社会制度は古墳時代に顕在化する。大型の古墳が象徴する新しい宗教と信仰、国の内外における人の移動、新産業の成立とその立地にたいする配慮など、考古学的に論証しうるものも少なくない。 目を日本列島の外に転ずるならば、最近著しく進展した、朝鮮半島、中国、あるいは東南アジアにおける考古学や民族学は自然・人文環境を考える上に大きな成果をもたらした。朝鮮半島の新石器時代の遺跡分布は海面高変化が局地的であることを示し、海南島への人口流入と新生業の成立は、東南アジアの人口移動と共に新しいモデルを提供している。
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Report
(1 results)
Research Products
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