Project/Area Number |
03231203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
手老 省三 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (80111318)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 超臨界流体 / 溶媒和 / ニトロキシドラジカル / ESR |
Research Abstract |
本研究は、ニトロキシドラジカルのESR測定から得られる超微細結合定数とスペクトル線形の解析から、超臨界状態二酸化炭素中の溶媒和構造を解明することを目的とし、以下に示す成果を得た。 1.ニトロキシドラジカルの超微細結合定数に対する溶媒和の効果 中性ラジカルにおける不対電子軌道の溶媒分子による摂動を、電場と水素結合などの特別な相互作用に分けて扱い、一次摂動論により定式化を行った。また、溶媒極性としては、Block‐Walkerのパラメ-タ-が適当であることを示した。種々の有機溶媒中における超微細結合定数を極性パラメ-タにプロットし、二酸化炭素中の値を比較した。二酸化炭素溶媒は、極性パラメ-タから予想されるプロットから大きく外れ、大きな溶質ー溶媒分子間相互作用があることを示している。低粘性二酸化炭素液体中で双極子ー沙起双極子相互作用により溶質ー溶媒クラスタ-が形成されていると考えられる。 2.ESR線形と分子運動、分子間相互作用 二酸化炭素溶媒中におけるジ‐t‐ブチルニトロキシドラジカルは、低濃度(10^<-3>M以下)では等強度の3本線ロ-レンツ線形を示す。濃度の増大と共にブロ-ドニングを示し、ロ-レンツ線形からずれてくる。これは、ラジカル間の相互作用があることを示している。電子スピン交換相互作用によるスペクトル線形に歪みが現われている。窒素による3本の超微細分裂信号強度は、低濃度領域では完全に等強度を示し、分子の回転相関時間は10ピコ秒より短かいことが明らかである。 二酸化炭素の超臨界状態では、ニトロキシドラジカルの溶解度は高く0.1M以上溶け、ESR線形は大きな交換相互作用のため一本線を示す。 永久双極子を持たない低粘性二酸化炭子が非常に大きな溶媒和相互作用を示すことがESRスペクトルの解析から明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)