液体中におけるイオンの振動・回転拡散に関するラマン散乱実験と理論的研究
Project/Area Number |
03231206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡崎 進 東京工業大学, 総合理工学研究科, 助手 (70194339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 勲 東京工業大学, 総合理工学研究科, 教授 (60011582)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 振動緩和 / 回転緩和 / 計算機シミュレ-ション / 量子動力学 / ラマン分光 / 振動ポテンシャル / 液体 / 溶融塩 |
Research Abstract |
液体中における振動緩和の分子論的描像を得るために,frozenfield,local mode,一粒子近似におけるOH^-イオンの,LiOH融体中での時間依存の振動ポテンシャルを,剛体回転子モデルにおける古典的MD計算の軌跡に従って配列させた原子位置に対するMO計算から見積った。その結果,この系においては振動子の感ずる場のゆらぎは200cm^<‐1>にも及び、またその時定数は約30f_sと極めて速いものであることが示された。この時間依存のポテンシャルに基づいて,固有関数展開形式での時間依存のシュレディンガ-方程式を数値的に解き,振動の基準座標の時間相関関数の期待値を様々な振動子と様々な時刻基準間での平均を求め,このフ-リエ変換としてラマン散乱における振動スペクトルを得た。これにより,液体中における振動スペクトルは,振動子が様々な場の中におかれていることに起因する不均一ひろがりと,場の速い変化によるmotional narrowingのふたつの概念でもっと理解できることが示された。また,ここで解いた非断熱方程式においては,振動子が基底状態から励起状態へ,また励起状態から基底状態へと状態間を遷移していく様子をシミュレ-トし,それを確率論的に把握することが可能であることも示された。一方で,実験的研究においては,本年度はラマン分光器の改造を行い,高腐食性の溶融水酸化物に対する測定を効率的に行えるようにした。これにより,OH^-イオンの振動・回転緩和の同位体効果や温度依存性に関しての一連の実験を行い,これら緩和過程における物質の慣性量と運動エネルギ-のかかわりを,上記分子論的描像に照らしながら検討した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)