Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 賢策 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50188421)
藤巻 宏和 東北大学, 理学部, 助教授 (90133933)
巽 好幸 京都大学, 理学部, 助手 (40171722)
佐藤 忠弘 国立天文台, 助教授 (10000176)
大江 昌嗣 国立天文台, 教授 (00088783)
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Budget Amount *help |
¥9,300,000 (Direct Cost: ¥9,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥9,300,000 (Direct Cost: ¥9,300,000)
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Research Abstract |
研究目的としてとりあげた3つの課題に対応して,本年度得られた成果を以下に要約する。 1.力学的な観測に関しては,昨年度購入した超伝導重力計の調整と性能のチェックが完了した。南極で液体ヘリュウムを供給するために,ヘリュウム液化器が作製された。このような準備を終えて,超伝導重力計は,第3次南極観測隊によって,液化器とともに南極の昭和基地に搬入された。ところが,昭和基地における立ち上げの際に,超伝導重力計の本体を構成するデュワ-が一部破損していることが見出され,観測が不可能なことが判明した。そのために,とりあえずは,ラコステ重力計で観測を開始した。超伝導重力計の方は,もち帰って来年度改めて観測を開始することを目標に,準備を進めている。 2.ホットスポット火山物質に関しては,物質科学的なデ-タの蓄積と分析が進んだ。沈みこんだプレ-トを構成する物質が,核・マントル境界を経由して,ホットスポットとして再上昇する可能性をチエックするために,セリュウムの異常を指標として使えるという見通しを得た。また,ケニア・リフトにおける玄武岩の組成が分析され,周期的に上昇するマントルの流れがその形成に関与することが示された。 3.理論およびデ-タ解析に関しては,海底の地形デ-タから過去の火山活動の推移が読みとられ,白亜紀にス-パ-プリュ-ムが発生した可能性の高いことが示された。また,核・マントル境界から生ずるマントル上昇流の形態が,板状から管状に発達するというモデルが提案され,同位体比のDupal異常や,洪水玄武岩,大陸分裂,ホットスポットを含む進化の過程が,そのモデルによって系統的に説明できることが示された。
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