衝突による金属鉄ー珪酸塩の分離と地球核形成機構に関する実験的研究
Project/Area Number |
03232207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toho Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
高木 靖彦 東邦学園短期大学, 講師 (10192147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 學 名古屋大学, 理学部, 助手 (80115550)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1991: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 衝突実験 / 惑星形成過程 / 非均質集積 / クレ-タ- |
Research Abstract |
粒径100〜200μmの石英砂と金属鉄粒子を各々重量比47.5%、粉末エポキシ樹脂を5%混合した試料を標的とした衝突実験を行なった。衝突速度は、1100〜1400m毎秒であった。 混合試料を予め加熱して固化した標的を用いた場合、その表面にクレ-タ-が形成されたが、その直径:深さの比は約1:1であった。これは、通常の岩石や氷の表面に形成されるクレ-タ-の場合の比、20:1〜10:1と比較すると非常に深いものとなっている。鉛などの金属に形成されるクレ-タ-の比は、約1:1であり、今回のクレ-タ-は、金属の場合に近い形態をしているといえる。 予め加熱・固化しない標的の場合、石英砂の場合と同様なクレ-タ-が形成され、そのクレ-タ-底の直下に、1cm立方程の圧密された塊が形成された。この塊を回収し、粉末及び液体エポキシ樹脂により固化した後、切断し断面の顕微鏡観察を行なった。その結果、圧密された塊の中で、石英粒子は殆ど変形・破壊を受けていないのに対して、金属鉄粒子は衝突方向と垂直な方向に著しく伸長されていて、顕著な異方性を示していることが判明した。 以上の結果から、石英と金属鉄の1:1混合物の衝突に対する変形は、金属鉄部分が支配しており、全体としての衝突に対する性質も、純粋な金属の場合の延性的性質に近いことが推測された。ただし、この性質が単純に金属鉄粒子の存在だけによるのか、大きな空隙率が影響しているのかは、さらに研究する必要がある。 以上の結果は、均質集積か非均質集積かといった地球中心核形成機構の問題のみならず、微惑星の衝突合体による原始惑星の形成過程全体の解明に、大きな貢献をすることが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)