Project/Area Number |
03233204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
友田 修司 東京大学, 教養学部, 教授 (30092282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩岡 道夫 東京大学, 教養学部, 助手 (30221097)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | セレン化合物 / 制ガン剤 / グルタチオンペルオキシダ-ゼ / 活性酵素 / 超原子価 / 生体酸化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,生展内酸化還元反応における2価有機セレン化合物の酸化過程(これは代謝で生ずる有毒過酸化物の還元,すなわち老廃物の無毒化過程)およびその過程に関与する中間体の異常原子価性を適当なモデル化合物を用いて明かにし,最終的には,得られた情報をグルタチオンペルオキシダ-ゼ様活性を有する人工酵素の分子設計に役立てることである.昨年度は、βーヒドロキシセレニドをモデル化合物としてセレンと水酸基の異常に強い水素結合を定量的に評価し、これがセレンの超原子価性に基づくものであることを明かにした.本年度は、生体内酸化還元モデル化合物として種々の置換基を有する芳香族セレン化合物を合成し,それらの酸化還元挙動(サイクリックボルタメトリ-)および酸化物(セレノン,またはセレノキシドなどの多価中間体)の生成速度を測定し,置換基の電子効果との関係を明らかにした.この結果から、生物が硫黄でなく、セレンを老廃物の無毒化作用のための触媒として選択した理由が明かとなった。さらに、適当なモデル反応の速度論的検討から,生体内において超原子価中間体が無毒化プロセスの触媒として重要な役割を果たしている可能性が示唆された.生体内における老廃物としての過酸化物の無毒化プロセスにおいては,2価の有機セレン化学種(グルタチオンペルオキシダ-ゼ)が過酸化物によって4価または6価のセレン酸化物の変換される(第1過程).生じたセレン酸化物はグルタチオン(硫黄を含むペプチド;補酵素)によって還元され2価にもどる(第2過程).これら2つの過程を,適当なモデル系の選捕,速度論,中間体の構造(単離してX線構造解析)と性質を検討することにより解明を試みた.さらにこれらの知見をもとにグルタチオンペルオキシダ-ゼモデル化合物を設計し,その触媒活性を評価し,この種の触媒反応設計に人工酵素として応用できるかを検討し、非常に興味深い知見が得られ始めたところである.
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)