Project/Area Number |
03234215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 富士夫 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20089882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝丸 博信 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40183264)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ネコ / 赤核 / シナプス / 発芽 / 投射 |
Research Abstract |
生後発達期に大脳皮質に一側性に損傷を与えると、生熟後も同側性投射に匹適する程度の交差性投射が観察される。このような投射の変化は、交差性投射の退化が抑制された結果であると見ることも出来る。しかし発達過程において観察される交差性投射と、損傷後のものとの間には関連はない可能性も考えられる。そこで我々は次のような二重標識を試みた。まず正常ネコの一側の赤核に緑色の螢光を発する色素を注入すると同時に大脳皮質に一側性損傷を与えた。そして一定期間経過後に、同じ側の赤核に赤色の螢光を発する色素を注入した。その結果、対側の皮質に標識される細胞の多くが二重標識された。このことは、皮質の損傷時に対側の赤核に線維を送っていた細胞の多くが、損傷後も交差性投射に寄与していることを意味している。いっぽう我々は大脳皮質の損傷後の交差性大脳ー赤核線維の形態を時間を追って調べた。その結果、同側性の支配を失った赤核では、損傷後2日目には交差性大脳ー赤核線維終端の多くは成長円錐様の形状を示すようになり、1〜2週目以降になると箒の先のように先端が多数に別れた軸索の終端が観察されるようになった。そして1カ月の経過すると、両側の赤核における軸索の形態に違いを見い出すことは困難な程になる。この結果から、皮質の一側性損傷後に軸索の成長が起こることは明らかであり、損傷による交差性投射の強化は、その時期に対側の赤核に存在していた軸索から分枝の形成が進んだことによる可能性が強い。
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