Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 清 慶応大学, 理工学部, 教授 (00011619)
片山 信一 新潟大学, 教養部, 助教授 (30018270)
川畑 有郷 学習院大学, 理学部, 教授 (80013514)
小野 嘉之 東邦大学, 理学部, 助教授 (30011761)
福山 秀敏 東京大学, 物性研究所, 教授 (10004441)
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Budget Amount *help |
¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
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Research Abstract |
[1]量子細線における境界凹凸散乱とコンダクタンスゆらぎ 量子細線は,量子閉じこめ効果により一次元的なサブバンドが形成され点で,金属細線とは非常に異なっている.このような量子細線における境界凹凸散乱の効果を量子力学的に計算し,古典論と量子論との対応や,大きな正の磁気抵抗効果が現れる起源を明らかにした.また,コンダクタンスゆらぎを数値的に計算し,その細線長と細線幅依存性,さらに量子細線から金属細線へのクロスオ-バを明らかにした.量子細線のコンダクタンスゆらぎは,局在領域とバリステック領域を除くと,本質的には一次元金属細線のそれと同じとなる. [2]超伝導と反磁性ゆらぎ スピングラス状態にある金属を持つSNS系におけるジョセフソン電流は平均値よりもゆらぎの方が大きいことを示した.また,ポテンシャル中に二次元電子ガスの軌道運動に伴う磁化を計算し,低温でのゆらぎは平均値であるランダウ反磁性に比べてけた違いに大きくなることを明らかにした. [3]量子ホ-ル効果 有限幅の二次元系の電子状態がホ-ル電極によりどのような変化を受けるかを数値的に明らかにした. [4]量子点における電荷分布とトンネル確率 フリ-デル総和則に基づいて,量子点における電荷分布とコンダクタンスの関係を求め,それにより共鳴トンネル効果の確率を議論した. [5]バリステック電子波輸送の計算方法の開発と応用 磁場中のグリ-ン関数を使い任意形状をもつメゾスコピック系の電子波の伝搬を記述する方法を提案し,量子細線の十字路構造でのホ-ル効果の異常について考察した. [6]量子細線超格子の遠赤外透過スペクトル GaAs/AlGaAsヘテロ構造に作成された多重量子細線構造の遠赤外透過スペクトルの偏光特性に対する磁場効果を明らかにし,観測されたスペクトルの形状の解析を行った.
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