変位カスケ-ド損傷形成時に発生する衝撃波の損傷構造発達への寄与
Project/Area Number |
03238211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下村 義治 広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 衝撃波 / 変位カスケ-ド損傷 / カスケ-ド・オ-バ-ラップ / イオン・中性子照射 / 分子動力学計算 / EAMポテンシャル / 損傷構造緩和 / コンピュ-タ-・シミュレ-ション |
Research Abstract |
金属材料を高速イオン及び中性子で照射すると入射粒子と金属構成原子が衝突して"第一ノックオン原子(PKA)"が発生する。PKAは結晶中の原子と衝突してこれらを弾き出し中心部が高濃度の原子空孔よりなり、その周囲を格子間原子がマントル状に取り囲んでいる"変位カスケ-ド損傷"が形成する。このカスケ-ド損傷がイオン・中性子照射損傷の基本単位である。カスケ-ド損傷形成時には中心部の原子はかなりの運動エネルギ-を持つようになるので瞬時的に溶解した状態になりその中心部の温度は数万度にも達する。この溶融した領域は通常のイオン・中性子照射損傷ではほぼ十ナノ・メ-トルの大きさでありこれらの過程は10psec以内に完了する。これらのカスケ-ド損傷形成時の瞬時の溶融による局所的体積膨張による歪を緩和するためにカスケ-ド損傷部表面より衝撃波が発生しすると考えられる。本研究の目的は(1)金属の物理的な性質を非常によい精度で再現できる原子挿入法(EAM)による多体ポテンシャルを組み込んでおり、結晶中を高速で走るイオンの核内電子散乱によるエネルギ-損失及び電子ーフォノン散乱によるエルルギ-散免過程をLangevin方程式により組み込んでいる分子動力学(MD)法により、一つの原子をPKAエネルギ-で飛び出さしての状態よりスタ-トしてMD計算により変位カスケ-ド損傷形成過程をコンピュ-タ-計算によりシミュレ-ションするものである。カスケ-ド損傷形成時の衝撃波の発生とその波の伝搬と減衰、及び以前に形成している変位カスケ-ド損傷構造の構造緩和に与える影響につき調べる。MDコ-ドはMOLDYーDASK(T.de la Rubia and M. W. Guinan in LLNL)を用いた。今年度はCRAYー2にて1keVのPKAエネルギ-のカスケ-ド損傷形成を計算した。計算結果はグラフィック表示してム-ビ-化している。来年度以降実用に重要な高いPKAエネルギ-に対する損傷計算を実施する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)