Project/Area Number |
03239207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大門 寛 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20126121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 滋正 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40107438)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | シリコン / アルミニウム / ジメチルアルミニウムハイドライド / 球面鏡分析器 / 脱離 / ESDIAD / 電子衝撃脱離 / 光励起脱離 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々が開発した新型電子分析器を用いて半導体表面に吸着した分子からの脱離イオンの放出角度分布を測定し、吸着・脱離のメカニズムを解明することにある。この分析器は、これまでの分析器と異なり、エネルギ-と質量の揃ったイオンの放出角度分布が得られるので、このような研究が大きく進展することが期待される。本年度は、DMAH(ジメチルアルミニウムハイドライド)をSi(111)表面に吸着させた系での脱離イオンの測定を行った。この系は、Si上のAl配線時におけるエピタクシャル成長の初期過程になっており、半導体産業において重要である。 実験では、10^<-10>Torrの超高真空中において清浄化したSi(111)面の7x7表面上に、室温でDMAHガスを飽和吸着させた。そこへ、400eVの電子線を照射して出て来るイオンの運動エネルギ-分布、質量分布、放出角度分布を2次元表示型の球面鏡分析器で測定した。運動エネルギ-分布は、2.6eVにピ-クを持つなだらかな分布を示した。飛行時間法(TOF)によってそれぞれの運動エネルギ-でのイオンの種類を測定した結果、出てきているイオンは、ほとんどがH^+であり、20分の1程度のCH_3^+が混じっていることが判った。また、それぞれのイオンの運動エネルギ-は大きく異なり、ピ-ク値は、H^+が2.6evなのに対してCH_3^+は約1eVとなっている。 これらのイオンの収量は、基板温度に大きく依存している。また、それらの放出角度分布も、室温では表面に垂直な方向から50度位開いた方向が強く、200度以上では表面に垂直な方が強くなっている。 これらの結果から、DMAHの初期吸着状態に関する新たなモデルが導かれた。このモデルは、DMAHは室温ではAl原子を下にして吸着しており、高温では解離して吸着しているというものである。
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