金属人工格子の膜面内伝導現象(熱電能とその磁場効果)
Project/Area Number |
03240219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
桜井 醇児 富山大学, 理学部, 教授 (30033814)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 磁性金属人工格子 / 人工格子 / 熱電能 / 巨大磁気電能 |
Research Abstract |
新庄らによって作成されたAu/Co/Au/NiFe多層膜は数百Oeという小さな磁場によって巨大なマグネトレジスタンスを生じることが報告されている。これは磁性層間の磁気結合が磁場により、強磁性的⇔反強磁性的と移り変わることに隨伴しているされている。我々は,この試料について,熱電能の磁場効果,およびゼロ磁場における温度依存性の測定を行なった。熱電能は温度の上昇とともにほゞ直線的にその絶体値が増加し,符号は全領域で負である。T=OKで熱電能の値も零に外挿する。これらの観測は,熱電能がモット式で表わせるような金属電子の拡散の機構によるものであることを意味している。また温度一定で磁場をマイナス値から増加させると,磁場が正になると熱電能は急増し,50ガウス近くで鋭いピ-クを作り,磁場がこれより更に増すと500ガウス迄は除々に減少するが,それ以上の磁場増加に対しは変化しなくなり,飽和現象を起す。磁場をこゝで減少していくと,熱電能の変化は磁場零の軸に関して対稱となった。これは巨大マグネトレジスタンスに相当する巨大熱電能現象と呼ぶべきものであり,口内外を通じて我々のグル-プが始めて観測したものである。更にAu膜の厚さに対する巨大熱電能の挙動をも系統的に調べた。飽和のおこる磁場の値が膜の厚さにより強く変化するのは,磁性層間の反強磁性結合の強さの変化を物語っており貴重なデ-タとなった。これらのデ-タを得るためには、本研究課題に対して交付された科研費により購入することができた計測コントロ-ラの性能によるところが大きかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)