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¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
本年度の研究は昨年度に引続き(1)分子線エピタキシ-法による金属人工格子(EuーSr系)の育成と電気的・磁気的性質の研究,(2)スパッタ成膜装置の自作とそれによる高感度熱電センサ-の開発,の二つにつき研究を行った。 (1)Eu(ユ-ロピウム)ーSr(ストロンチウム)超格子膜については、本年度においてエピタキシ-を保った単結晶超格子膜の成膜に成功した。一つの困難は両金属共にきわめて活性で,極微量の酸素雰囲気で酸化してしまうことであったが,保護単膜としてSio,Ge,TeO_2を試みていづれも失敗し,CaF_2またはBaF_2(つまり基板單結晶材)を電子ビ-ム蒸着することでプロテクト性能を有効に発揮することが見出された。Eu,Srを1nmづつ25周期重ねた膜,4nmづつを42周期重ねた膜について反射高エネルギ-電子回折像やX線回折によってエピタキシ-が立証された。磁性がEuの種々膜厚で種々のバラエティをあらわすことは今後の引つづきの研究果題である。 (2)スパッタ装置の自作についてはガラスベルジ-やステンレス眞空力ラ-(襟管)の中古部品,拡散ポンプ系の中古品等を購入,3種のタ-ゲットを備えた直流および高周波マグネトロンスパッタ装置を極めて安価に自作した。高眞空度到達が未完成であったため,本来のビスマス系アンチモン系,テルル系のスパッタ成膜多層熱電素子開発の前に,酸素雰囲気に強く,かつ比較的大きい熱電能を示めすはづのpd(パラジウム)・Au(金)のスパッタ膜(300nm厚)熱電能を2種類の(横並び型,縱重ね型)コンフィグレ-ションで作成し,その熱起電力を室温から80Kの低温まで測定した。測定結果を解析した結論で,パラジウム膜はなを空気微量雰囲気に敏感に反応消化すること,(フエルミ準位がわづか低下することで説明),重疊型素子では中間絶縁層の高度の絶縁性の必要性が分った。
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