Project/Area Number |
03241207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小宮 三四郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (00111667)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 金錯体 / 核酸塩基 / グアノシン / トリフェニルホスフィン / 相互作用 / トリアリ-ルホスフィン / 配位子交換反応 |
Research Abstract |
一連のニトラト(トリアリ-ルホスフィン)金(I)錯体を対応するクロロ(トリアリ-ルホスフィン)金(I)と硝酸銀の反応から合成単離し,これらと核酸塩基との反応をHーNMRを用いて検討した。原料であるクロロ(トリアリ-ルホスフィン)金(I)はグアノシンと全く反応しないが、ニトラト(トリアリ-ルホスフィン)金(I)との反応では、グアノシンの塩基部分のプロトンに大きな低磁場シフトが観測された。リボ-ス部に由来するプロトンの化学シフト変化はほとんどなく,反応への直接の関与はないものと考えられる。グアノシンのH8プロトンの化学シフトは約0.9ppm低磁場にシフトしており,グアノシンは隣接のN7位で金(I)に配位しているものと推定される。この傾向はシスプラチンの場合と同様であるが,その化学シフト変化はシスプラチンの場合よりも大きい。配位グアノシンの化学シフトの塩基濃度依存性を検討したところ、グアノシンの濃度が金錯体の濃度よりも小さいときには一定値であったが、等モル以上になると次第に遊離のグアノシンの化学シフトに近づく傾向を示した。この結果は金(I)錯体とグアノシンとの間で安定な1:1錯体が形成されることを示唆するとともに、配位したグアノシンが遊離のグアノシンと非常に速い交換反応を起こしていることを示している.トリアリ-ルホスフィンとしてよりかさ高いトリ(0ーアニシル)ホスフィンを配位子とする金(I)錯体を用いると、グアノシンと金(I)錯体の濃度比が1を越えたところで配位グアノシンのシグナルが大きなブロ-ドニングを起こすことから、この交換反応はグアノシンが2分子配位したビス(グアノシン)金(I)錯体を経由する会合的な機構で進行するものと考えられる。
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