ポリペプチド鎖を反応場とする金属ポルフィリンの光誘起電子移動反応
Project/Area Number |
03241208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 一郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (90089821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 重利 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60183729)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 光誘起電子移動反応 / 亜鉛ミオグロビン / 励起三重項状態 / レ-ザ-フラッシュフォトリシス |
Research Abstract |
本研究では、ミオグロビン中のヘムを亜鉛プロトポルフィリンで置換した亜鉛ミオグロビンを調製し、亜鉛ミオグロビンとビオロ-ゲンとの間の光誘起電子移動反応を行った。亜鉛ミオグロビンをNd‐YAGレ-ザ-第二高調波(波長532nm)により光励起すると、励起三重項状態にある亜鉛ミオグロビンが生成した。亜鉛ミオグロビン励起三重項状態の寿命は15ミリ秒であった。本反応系内にメチルビオロ-ゲンを添加すると、亜鉛ミオグロビン励起三重項状態とメチルビオロ-ゲンとの間で電子移動反応が進行し、還元型メチルビオロ-ゲンが生成した。この反応速度定数は、pH7において2.7x10^7M^<-1>S^<-1>と求った。この反応速度定数は、反応溶液のpHの上昇とともに増加することがわかった。これは、pH変化により亜鉛ミオグロビン上の電荷が変化するためであると考えられる。亜鉛ミオグロビン上の電荷の変化に直接関与しているのは、反応サイト近傍に存在するリシン残基であると思われる。 電子受容体として、メチルビオロ-ゲンのかわりにチトクロ-ムcを用いた場合も、光誘起電子移動反応が進行することがわかった。EDTA、亜鉛ミオグロビン、チトクロ-ムcより成る系に定常照射を行うとチトクロ-ムcの還元反応が進行した。光照射20分後には、90%以上のチトクロ-ムcが還元されることがわかった。レ-ザ-フラッシュフォトリシスによる過渡吸収スペクトルの測定においては、還元型チトクロ-ムcにもとずく過渡吸収は観測されなかった。これは、逆電子移動反応の速度が速く、電荷分離種が生成しないためであると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)