蛋白質工学を活用した鉄・硫黄酸化還元中心を持つ蛋白質の分子デザイン
Project/Area Number |
03241212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷 俊治 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00127276)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | フェレドキシン / 金属タンパク質 / 鉄・硫黄クラスタ- / 酸化還元電位 / 蛋白質工学 |
Research Abstract |
典型的な非ヘム鉄蛋白質であるフェレドキシン(Fd)が金属蛋白質として機能上要求される特性は、電子伝達反応の際の活性中心となる鉄・硫黄クラスタ-の酸化還元電位が低いこと、及びFdと電子の授受を行う他の酵素との効率のよい電子伝達複合体が形成できるような分子構造を持つことある。この構造を以下の方法で解析した。 1.トウモロコシのFdのcDNAをクロ-ニングし全構造を明かにするとともに、その遺伝子を大腸菌内で発現させて鉄・硫黄クラスタ-の備えた成熟型Fdを得ることに成功した。 2.構造が明らかになっているFdは下等藻類から高等植物にまたがる広範な分類群にわたり、それらの相同性に生体内で機能するために必須な構造的要素が読み取れるものと考えた。この様な観点から、Ser39、Gly43、Ser46、Gly50(これらは全て分子進化上保存されている残基)を別のアミノ酸へ置換させた改変体を作製した。これらの中に、もはやホロ蛋白質となり得ないものもあるが、鉄・硫黄クラスタ-を備えた物性研究に適した分子種も存在し、これらは分光学的特性や酸化還元電位に有意な変化が起こっているを確認した。目下、置換残基の性質との対応を考慮しながら考察を進めている。 3.Fd前駆体をin vitroで単離葉緑体へ移行させ、鉄・硫黄クラスタ-が生合成される実験系を開発した。これを用いて、上記改変体の特性をより生体に近い状態で明らかにできた。 4.Fdから電子を受け取る側であるFd依存性の酸素としてグルタミン酸合成酵素の遺伝子クロ-ニングに初めて成功した。この遺伝子を利用することにより、今後FdとFd依存性酵素間の相互認識と電子伝達機構を蛋白質工学的手法で研究可能となる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)