Project/Area Number |
03241217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福住 俊一 大阪大学, 工学部, 助手 (40144430)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 触媒作用 / 電子移動 / 金属錯体 |
Research Abstract |
生体類似ポリペプチド金属錯体の効率的な電子伝達を設計する上で電子移動に対する在媒作用が最も重要な問題となる。本年度の研究では電子移動に対する金属錯体の触媒作用に関する研究を行い、その触媒作用機構には基本的に以下の3つのタイプがあることを明らかにした。 1.電子キャリアとしての触媒作用ーMeCN1HClO_4が存在すると、NAD二量体モデルのアクリジンダイマ-[(AcrH)_2]はCoTPP^+/CoTPPを電子キャリアとして酸素分子へ電子伝達を行うことができることを見い出した。素過程についてMarc/s理論に基づいて詳しい速度論的解析を行った結果、(AcrH)_2からCoTPP^+への電子移動は両者の相互作用がほとんどない外圏型、CoTPPからO_2への酸在媒電子移動は相互作用の強い内圏型で進行することがわかった。この場合金属ポルフィリンにO_2が配位できることが、電子移動触媒として有効の機能する上で重要である。 2.1電子還元体との錯形成による触媒作用ー脱酸素MeCN中pーベンゾキノン類(Q)のラジカルアニオン(Q^-・)はMg^<2+>と1:1(Q^-・-Mg^<2+>),1:2(Q^-・-2Mg^<2+>)の錯体を形成することがわかった。この一電子還元体との錯形成は電子移動触媒作用の中でも最も一般的に様式であると考えられる。また。NADH類縁体による種々の基質の酵素類似還元反応における金属イオンの触媒作用も、このような一電子還元体との錯形成による電子移動触媒作用によることを明らかにした。 2ー3.ラジカル種を介する触媒作用ールイス酸金属錯体(SnCl_4,Et_3SiClO_4など)を電子移動還元すると金属中心ラジカルが生成する。αーエノン(R^1COC=CR^2R^3)存在下でケテンシリルアセタ-ル(R^4R^5C=C(OEt)OSiEt_3)により金属錯体が電子移動還元されると、金属中心ラジカルがαーエノンに付加し、ケテンシリルアセタ-ルラジカルカチオンとカップリングすることにより通常の方法では合成困難な4級炭素ー炭素結合を効率良く生成することに成功した。この場合、ラジカルを介して電子移動過程が触媒されることになる。
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Report
(1 results)
Research Products
(16 results)