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¥13,700,000 (Direct Cost: ¥13,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥13,700,000 (Direct Cost: ¥13,700,000)
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Research Abstract |
DielsーAlder反応の新しいジエノフィルとして,ビニルホスホネ-トを開発し,シクロペンタジエンとのDielsーAlder付加体より還元条件下でのレトロアルド-ル反応を用いて炭素環Cーヌクレオシド前駆体の合成を達成した。また、ビシクロアシドの水素化ホウ素ナトリウムによる還元的アシド結合開裂反応を行い炭素環ヌクレオシドの一般合成法の開発に成功した。本手法を用いて各種新規炭素環ヌクレオシドを合成し,それらの中に顕著な抗HIV活性を有するBCAを見出した(金子)。グリコシル化反応に関して,ルイス酸の組合せ,あるいはルイス酸と銀塩の組合せにより生じるカチオン活性種が1ー0ーアセチル糖の活性化に有効であり,トリメチルシリルエ-テルをグリコシル化ドナ-とする触媒的0ーグリコシル化反応の開発に成功した。また,1ーヒドロキシ糖の活性化剤として,トリフェニルホスフィンオキシドと無水トリフラ-トの組合せが有効であることも明らかにした(向山)。ブレオマイシンの金属部位モデルにディスタマイシンを連結した化合物によりDNAのアデニン,チミンに富む部分を切断することが出来た(小林)。2'および3'に保護された2つのリン酸基をもつ合成ユニットを用いて分岐RNAの合成研究を行い,2'リン酸基が転移しないため立体障害をもつリン酸基のヌクレオシドの糖水酸基への導入反応を確立した。また核酸合成条件下におけるこれら立体障害をもつリン酸基の保護基の基本的な諸性質を明らかにすることができた。さらに,3',5'環状シリルエ-テル型の保護基の選択的脱保護には弱酸性条件下おこなうと、極めて選択的にリン酸基の転移は防げるという基礎的かつ重要な結果を得た(関根)。新規ヌクレオシド,DMDC,CNDAはマウス実験腫瘍ばかりでなく、ヒト固型腫瘍に対しても強い抗腫瘍性を示すことを見出した(佐々木)。
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