機能分子を有するオリゴヌクレオチド誘導体の合成と性質
Project/Area Number |
03242210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
山名 一成 姫路工業大学, 工学部, 助手 (70192408)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | オリゴヌクレオチド誘導体 / 塩基配列特異的な認識分子 / 遺伝子識別 / 遺伝子発現制御 / 機能化 / ホロビスアミダイト中間体 / インタ-カレ-タ- / 糖部を修飾したオリゴヌクレオチド誘導体 |
Research Abstract |
オリゴヌクレオチド誘導体をDNAあるいはRNAに対する塩基配列特異的な認識分子として利用し、特別な遺伝子発現を識別することや特定の遺伝子を制御する試みは近年活発に行われている。遺伝子識別や遺伝子発現制御の効率を上げるためには、それぞれの目的に応じてオリゴヌクレオチド誘導体を適当に機能化する必要がある。 すでにわれわれは、新しいタイプのオリゴヌクレオチド合成中間体としてヌクレオシドホスホロビスアミダイトを開発し、このものが背骨格および糖部に機能分子を導入したオリゴヌクレオチドの化学合成に有用であることを見いだしてきた。すなわち、トリアミノホスフィンやビスアミノクロロホスフィンをリン酸化試薬として新たに開発し、これらリン酸化試薬によりヌクレオシドホスホロビスアミダイト中間体が簡便に得られ、このものは単離精製することなく直ちにオリゴヌクレオチド固相合成に適用可能であることを示した。 上記方法は、糖部を修飾したヌクレオシドに対しても適用可能である。すでに、リボヌクレオシドの糖部2'位にインタ-カレ-タ-(アントラキノン)を導入した分子から容易にビスアミダイト中間体に誘導できることを明かにした。これを通常のオリゴヌクレオチド合成試薬と適宜組み合わせて用いることによりインタ-カレ-タ-を任意の糖部2'位に共有結合で導入したオリゴヌクレオチド誘導体を合成できることを明かにした。得られる誘導体は、相補鎖と2本鎖を形成しその安定性がインタ-カレ-ションにより著しく増大することを示した。 一方、上記方法を有効に活用することによりピレンを特定の糖部2'位に有するオリゴヌクレオチド誘導体が簡便に得られることを示した。さらに、このものが中性水溶液中相補的なポリヌクレオチドと容易に会合し、これにともない蛍光量子収率、寿命とも著しく増加することを明かにした。ここで明かにしたピレンーオリゴヌクレオチド誘導体の蛍光特性は、ピレンをオリゴヌクレオチドの糖部2'位に比較的短いリンカ-で導入した誘導体に特有のものである。さらに、アミノ基選択的な蛍光試薬を2'ーアミノ ウリジンに導入したのちビスアミダイト中間体とし、これをもとに蛍光分子で機能化したオリゴヌクレオチド誘導体の新しい合成法を開発しつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)