氷結晶の表面、下地との界面及び粒界面における擬似液体層の微視的構造の研究
Project/Area Number |
03243203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20113623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 正樹 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (00137887)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 表面融解 / 擬似液体層 / 界面融解転移 / 粒界 / 偏光解析法 / 氷結晶 / 形態形成 |
Research Abstract |
1.氷ーガラス界面において、氷結晶の温度を上昇させながら反射光型偏光解析装置を用いて遷移層の厚み及び屈析率の測定を行なった。その結果、氷結晶の融点から約1K低い温度で擬似液体層と考えられる遷移層を検出した。この擬似液体層の厚みは、温度が上昇し0℃に近づくとともに急激に増加した。 一方、-1℃より低い温度では、温度によらず約10nmの厚みの遷移層が検出された。これは、屈析率の値がかなり大きく、ガラスと水の屈析率の中間にあることから、ガラス表面の凹凸部に起因する層であると推定された。従って、ガラスー氷界面での界面融解の臨界温度は少なくとも-1℃以下であると結論される。 2.氷結晶粒界における擬似液体層の検出を行なうため、透過型分光偏光解析装置の開発を行なった。 3.過冷却水中で成長する氷結晶の形態形成の実験を行なった。マッハツェンダ-干渉計を使って氷結晶を観察することで結晶の厚みの測定が可能になり、三次元的な視点での形態形成の解析が初めて可能になった。本研究は、本重点領域研究の第1班(理論班)において行なわれている結晶の形態形成の理論的研究とも密接に関連している。 4.氷結晶表面における擬似液体層の微視的構造及び物理的性質を明らかにするために新しい表面測定法による実験を開始した。まず、表面での光の反射に伴うSHG(Second Harmonic Generation.第2高調波発生)を利用した表面最外層における水分子の配列を調べるために、予備実験を行なった。この方法により、表面融解の臨界温度周辺での表面微細構造の研究が可能になる。さらに、シンクロトロン放射光を利用して氷結晶表面からのX線CTR散乱法による測定を行なった。その結果、氷表面からのX線CTR散乱の検出に初めて成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)