急冷液体相中の結晶核形成・成長に関するコンピュ-タ-シミュレ-ション
Project/Area Number |
03243204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 かおる 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40185343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 豊 東北大学, 理学部・物理学科, 助教授 (60125515)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 結晶成長 / 核形成 / クラスタ-・クラスタ-凝集 / マイクロクラスタ- / 拡散律速凝集(DLA) / シミュレ-ション / フラクタル次元 / 臨界指数 |
Research Abstract |
急冷液体中の核形成・成長の初期過程をシミュレ-トするために、ギブス・トムソン効果、潜熱の拡散、温度勾配に比例した成長率などを含む現象論的な基礎方程式の導出について理論的に考察し、熱揺らぎの効果を含む簡単なコンピュ-タ-シミュレ-ションを行った。この結果、水や銅などの通常の物質では等温核形成理論が成立することを確かめた。さらに、この解析にクラスタ-・クラスタ-凝集の効果を含めることの準備として、クラスタ-・クラスタ-凝集(CCA)模型に関する2次元系でのコンピュ-タ-シミュレ-ションも実行した。我々はSiO_2のゲル化過程を模倣すべく、持ち得る最大の結合手の本数が2本および4本の2種類のモノマ-を用意し、これらを適当な比率で分布させた状態から出発し、拡散律速CCAを行い、いかなるゲル状態が出現するかを調べた。この結果、生成されたゲルのフラクタル次元は加水量に僅かに依存するのみであることを明らかにした。この他、第一原理分子動力学法に基づいて、C_<60>などの炭素マイクロクラスタ-の構造安定性や結合・分離過程を大規模コンピュ-タ-シミュレ-ションにより調べた。次に、二次転移を示す臨界点近傍での原子配列の乱雑性および結晶表面の効果を議論するために、場の理論に基づく繰り込み群を用いた解析を行い、表面臨界指数を導いた。この他、繰り込み群を用いて良溶媒中に溶けた枝分かれポリマ-の各種空間分布も調べ、シミュレ-ションも行った。最後にDLA(拡散律速凝集)モデルを厳密に定式化し、これを平均場近似で調べることで、変形した拡散式程式と拡散場勾配に比例した成長率に関する方程式を得た。我々は、この方程式系を数値積分することによって凝集クラスタ-のフラクタル次元を解析し、得られたフラクタル次元が既知のシミュレ-ションによる値とよく一致することを示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)