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¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
Si表面上にGaAs単結晶を成長させる時に現れる重要な反応は,吸着したGa金属原子とAs_2非金属ガス分子の反応である。本研究では,この様な反応を相定し,まず吸着アルカリ金属原子とNO分子の反応の研究を行った。実験上の特徴は,入射NO分子のエネルギ-が完全に揃った,いわゆる超音速分子線を発生させ,それを良くキャラクタライズされたSi表面上に衝突させ,散乱NO分子と吸着原子を同時測定したことにある。この手法により,表面吸着反応のダイナミカナルな測面を浮きぼりにして,表面反応機構を解明する。この一年間の研究で次の様な成果を得るに至った。 (1).オ-ジェ電子分光(AES)測定により,K及びCsの被覆率Θ_Mの函数として,NOの吸着確率Sを求めた。SはΘ_Mに対してほぼ線形に増大した。又,SはNOの吸着が進行するにつれて,ほぼ指数函数的に減少し,やがて零となった。これら一連の事実は,KやCsの吸着子とNO分子が局所的に反応していることを示している。 (2) レ-ザ-分光法(REMPI)により,散乱してくるNO分子の挙動につき調べた。散乱成分としては,吸着脱離散乱と直接非弾性散乱成分とがある。NOの入射エネルギ-が0.30eV以上では,現在の系では,直接非弾性散乱が支配的である。即ち,散乱は表面との1回衝突のうちに生ずる。アルカリ吸着Si(100)表面にNOビ-ムを導入すると反応の初期に散乱は殆んど観測されなかった。これは,すべてのNO分子が表面吸着を起こしていることを示しているが,その反応は,前記(1)の結果と組み合わせると,アルカリ吸着子と1回の衝突過程の内に発生していると結論される。 (3) 表面吸着は,吸着アルカリ原子から入射NO分子への電子移動が最初のアクションとして大事である。
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