Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,従来の知識工学において用いられている知識の記号表現を補完するものとしてイメ-ジ表現を考え,記号とイメ-ジを統合的に取り扱い得るメンタルモデルの学習について,次の2つの領域において考察した。 1.エキスパ-トシステムにおける知識獲得 従来から,機械故障診断というタスクドメインにおいて,知識コンパイラを開発してきたが,故障診断の観点から見れば,モデリングの範囲が小さいという欠点を抱えていた。そこで本研究では,この欠点の解消と故障診断時の専門家のメンタルモデルの構成を目的として,故障木を作成するレベルでの専門家のイメ-ジを反映した障害モデルを整理し,理論を反映した対象・故障モデルとイメ-ジを反映した障害モデルとの相互作用の枠組みを検討した。その結果,従来システムよりは,専門家の見落としをより多く指摘できる新しい知識コンパイラが開発された。 2.自然言語理解 本年度は,非専門家向けに書かれたエンジンの動作説明文の読み取りを題材として,イメ-ジ的知識を利用した簡単な機械機構の動作説明文の理解の枠組みについて検討した。具体的には,(1)命題的に表現された情報のみではなく,2次元空間的情報をも自然に保持することが可能なイメ-ジ的対象世界モデルを考察した。(2)上述の2次元イメ-ジ的対象世界モデル上で,機械機構の動作をシミュレ-トするアルゴリズムについて検討した。(3)世界モデルを観測し,命題的認識を抽出する機構として,エンジンの動作説明文の読み取りに必要と思われる認識機構を列挙し,インプリメントを行った。(4)基本処理として名詞句処理,動詞句処理を持ち,単語間の意味接続関係に従ってそれらを制御する文章読み取り機構を実現した。
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