Project/Area Number |
03245213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仁木 直人 九州大学, 理学部, 助教授 (10000209)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 確率推論 / 情報量 / 行動仮説 / 経験分布 / 混合分布 / 学習価値 / 知識獲得速度 |
Research Abstract |
確率推論においては、命題論理における真理値表に対応して、離散確率分布が不格実性を伴う命題間の媒介知識として必要である。しかし、この分布が始めから正確に得られることはむしろ稀であり、しばしば、専門家に尋ねるあるいは天啓による等の様々の根拠に基づいた、事前知識または行動仮説と呼ぶべき仮設定された分布を用いざるを得ない。 この行動仮説分布は経験による緩やかに変更されるべきであり、またそのような変更によってのみ推論精度の安定した向上が期待できる。本年度の研究においては、その実現方式として、初期(の行動仮説)分布とn回の観察に基づく経験分布との混合を推論に用いること、および、その混合比αを真の分布と経験分布との距離に関するKullbackーLeibler情報量が真の分布と初期分布とのKL情報量より小さい確率(確率で測った確実度)とすることを提案し、行動仮説から真の知識に至る量的学習過程を構成した。 学習機能を備えた確率推論システムを構築する上で、この学習過程が以下のような望ましい性質を有することが示された。(1)作業仮説が真実とずれており、学習する価値があるならば、n→∞により、α→1すなわち混合分布は経験分布に次第に近付く。(2)学習する価値が全くない状況では、n→∞により、αは0.05程度の定数に収束する。従って、経験をほとんど無視することになるが、固定した正しい知識に重きを置くことは頑強性の面で好ましい。(3)nが小さい時はαも0に近い値をとり、浅い経験を過度に取り入れる恐れが少ない。(4)学習する価値があるとき、αが1に収束する早さは概ねexp(ーkn)(kは定数)のオ-ダであり、定数kは真の分布と初期分布とのKL情報量に比例する。すなわち、学習する価値が大きいほど、経験を重要視する傾向があり、経験分布への移行が急速に行われる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)