Project/Area Number |
03246203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 彰三 東北大学, 教養部, 助教助 (40171277)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | クラスタ- / 高分解能電子エネルギ-損失分光 |
Research Abstract |
本研究では、基板に吸着したクラスタ-の振動及び電子励起状動の解析を行ない、その物理的特性を明らかにすることを目的としている。そのための測定手段として、測定感度の高い高分解能電子エネルギ-損失分光器(HREELS)を用いる。本年度は計画に従って、HREELSの装置の調整を行なった。さらに、Si(111)表面にC_<60>を蒸着し、測定を行なったのでその結果を報告する。 初めに、超高真空槽への試料導入機・ホルダ-、マイクロコンピュ-タ-を用いたデ-タ収集システムを製作し、次の1、2、3の順に調整と測定を行なった。 1.Si(111)清浄表面を用いて、HREELSの31個の電子レンズとスリットの調整を行なった。その結果、反射電子ビ-ムの半値幅(分解能)16meV、ビ-ム強度7000〜10000cpsを得た。さらに、表面フォノンのエネルギ-位置付近にピ-クが観測されるが、測定感度が不十分なために正確なエネルギ-値は決められなかった。 2.Si(111)表面に酸素を100ラングミュア導入し、測定を行なった。その結果、SiーOの伸縮振動モ-ド(96meV)、SiーOーSiの非対称伸縮振動モ-ド(108meV)の2のピ-クが重なって観測された。 3.Si(111)表面にC_<60>を蒸着し、測定を行なった。その結果、65meVにピ-クが、観測された。このピ-クは、赤外活性な2つの振動モ-ド(65、72meV)とアサインされる。 これらの測定結果は、HREELSの測定が可能になり、本年度の計画が達成されたことを示す。今後は、分解能と信号強度の向上をはかりながら、当初予定の基板に吸着した金属クラスタ-の振動状態及び電子励起状態の測定を行なう計画である。
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