Project/Area Number |
03246209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山口 豪 静岡大学, 工学部, 教授 (50013537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤間 信久 静岡大学, 工学部, 講師 (30219042)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1991: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 遷移金属マイクロクラスタ- / 電子状態 / DVーXαーLCAO法 / 水素分子吸着 |
Research Abstract |
我々の研究目的は、3d電子を価電子としてもつ遷移金属マイクロクラスタ-の電子状態を理論的に求めることにより、新物質相としての3d遷移金属クラスタ-に現れる特有な物性を明かにすることである。具体的には、強磁性遷移金属クラスタ-の触媒活性であり、Coクラスタ-およびCo系合金クラスタ-の水素分子吸着活性を例にとって、これらのクラスタ-の電子状態を求め、原子間結合についての知見を得ることである。 スピン分極DVーXαーLCAO法を用いて、水素分子を吸着した一連のCo系合金クラスタ-の電子状態を計算し、以下のことを明かにした。 (1)正二十面体対称性をもつCo_<13>クラスタ-に水素分子を吸着させた系では、水素原子の1s電子と隣接するCo原子の3d電子は結合的な軌道を構成する。(2)上記のCo_<13>クラスタ-に対し、中心原子をVなどCoより原子番号の小さな3d遷移金属で置き換えた系では、中心原子の3d電子の広がりが大きいため、中心原子とまわりのCo原子との間の相互作用が強くなる。その結果、水素原子とCo原子の間の相互作用は相補的に弱くなり、Co_<12>vクラスタ-では水素原子の1s電子とCo原子の3d電子とはほとんど結合しなくなる。 以上の結果は、Co_<13>クラスタ-は水素分子の吸着に対して活性であるのに対して、Co_<12>vクラスタ-は不活性であることを示唆するものであり、慶応大学芽グル-プによるCoーV合金クラスタ-ビ-ムの水素ガス反応実験の結果とよく一致する。また、遷移金属表面での分子吸着反応のメカニズムに対しても、一つの知見を与えるものである。なお、上記の研究成果については、裏面に掲げた文献において発表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)