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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
大自由度散逸系を平衡から遠く離れた状態にもってゆくと,空間的周期構造,リミットサイクル,時間的および空間的に乱れた状態(時空カオス),乱流へと次々に遷移してゆく。我々は,液晶対流系をこれらの現象を研究する為のプロトタイプに選び,いくつかの新しい動的状態を見い出した。1)空間的周期構造の上にできる位相波の自発的生成と崩壊,2)欠陥乱流,3)振動位相のジャンプからできるPhase Shift lineとそのダイナミクス,4)パルス的乱流状態,5)乱流中のLarge Scale Flowと巨視的構造などである。これらの現象をある程度共通したモデル方程式から統一的に説明することを目指して研究を行ってきた。その結果,空間的周期構造のHopf分岐によって発生する振動モ-ドを特定し,それを対称性から分類した。さらに,1)の現象を説明するため,空間構造と振動モ-ドの結合のフィ-ドバック効果を取り入れることにより,この不安定化現象を記述するモデルを共同研究により得ることができた。 数値計算の結果,モデルの予測は実験と定性的に一致した。さらに,定量的な予測を行うため,実験からモデルの主要な係数を決定し,不安定化の条件を満たしていることや,解の定量的一致性などが確認された。また,方程式の拡張により,2),3)の現象も説明可能となる展望が得られた。以上により,空間構造と波動の相互作用により生ずる局在した振動パタ-ンの生成と崩壊のメカニズムが明らかになった。
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