Project/Area Number |
03247208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
常行 真司 東京大学, 理学部, 助手 (90197749)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 量子モンテカルロ法 / 変分モンテカルロ法 / 電子相関 / 多体効果 |
Research Abstract |
金属絶縁体転移、半導体中の欠陥生成、固体表面での吸着と解離、化学反応(触媒反応)等、電子相関効果が重要な役割を占める物理現象は枚挙に暇がない。現実の物質に即した電子相関効果の定量的な見積は、これらの物理現象を対象とする理論の基礎となる、極めて重要な問題である。本研究では、従来の局所密度汎関数法(LDF)を超えて電子相関効果を定量的に取り扱うことのできる、変分量子モンテカルロ法(Variational Monte Carlo method,以下VMC)の応用をめざして、新しい計算技法の開発を試みた。 従来のVMCでは、Jastrow factorのなかのパラメ-タのみを変分により最適化していたが、同様の手続きにより、スレ-タ-関数部分の一体波動関数についても最適化が可能である事がわかった。この手法で原子座標を変分パラメ-タとみなすと、構造最適化も可能である。今年度は計算の対象を分子(小数有限系)に限り、この方法を用いて、ガウス型基底関数による変分モンテカルロ計算のプログラムを作成した。ガウス型基底を使うことにより、分子軌道法(HF‐SCF法)計算の結果得られた波動関数を、そのまま変分の出発点に用いる事ができる。H_2分子に関するテスト計算では、Jastrow factorの導入により、分子軌導法で得られた波動関数も大きく変形し、そのような変形を許した場合にのみ、Jastrow factor が正しいcusp conditionを満たすことがわかった。 また電子数が多くなると、特に一体エネルギ-の評価に於いて統計誤差が大きくなり、計算精度が上がらない。そこで、そのような場合にも精度良く全エネルギ-を評価する方法として、HF‐SCF法によるエネルギ-からのズレを計算する方法を開発した。パラメ-タ最適化への応用など、今後の発展が望まれる。
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Report
(1 results)
Research Products
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