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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
非線形要素が大域的に結合した系は,固体物理,多モ-ドレ-ザ-,流体の渦,進化系,免疫系,神経ネットワ-クの生物情報処理等に重要である。この間題を大域結合マップ,具体的にはロジスティックマップを平均場で結合したモデルx_<n+1>(i)=f^^<(1ーε)>(x_n(i))+〓f(x_n(j))(i=1,..,Nは要素の番号)を中心に調べた。既に(1)コヒ-レント振動(2)秩序振動(3)部分的引き込み(4)乱流相の間の転移が知らされているが以下の点を進めた。 (A)乱流相での大数の法則の破れの起源とその機構としての隠れた秩序の実態:乱流相では平均場の分散はあるサイズまでは減少するが,それ以上ではある有限の値に保たれる。カオス結合系はバラバラに振動していても、要素時間に有限の相関が残っていることを意味する。この結果は、カオスが伸ばす部分と縮む部分からなりたっていれば普遍的にみられた。カオス結合系では,大数の法則がある程度近付いた後に弱く破れており,単なる雑音との違いを明確に示す。この機構、また雑音の付加による大数の法則の特異的な復活を明らかにした。(B)部分秩序相の分割の複雑さ:この相においては、大小さまざまなクラスタ-が混在したアトラクタ-が多く実現する。クラスタ-への分割の仕方の揺らぎがこの相で増大しており、サイズが大きくなっても残存していることを見いだした。 (C)ジョセフソン結合系や電荷密度波系との関連もみるため、各要素が回転しうる位相からなり、それが大域的に結合している系を調べ、ここにおいても、引き込みクラスタ-の転移、カオス的遍歴、拡散についての大数法則の破れを見いだした。また、ハミルトン系においてもクラスタ-運動が存在することを示しクラスタ-運動でのカオスの特徴、クラスタ-の寿命などを定量的に調べた。(D)更に生態ネットワ-クでもクラスタ-運動を発見、これによる新しい恒常性維持機構(ホメオカオス)を提唱した。
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