Project/Area Number |
03247220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
島 信幸 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90167445)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Si(100)表面 / ダイマ-モデル / 密度汎関数法 / LSD近似 / KohnーSham方程式 / GVB計算 / APSG近似 |
Research Abstract |
Si(100)表面の構造については、非対称ダイマ-を単位のモデルとした2X1,p(2X2),c(4X2)構造などに基づいて研究が進められている。電子線散乱などの実験が上述の非対称ダイマ-単位に基づく表面構造を支持する一方で、室温でのSTM実験では対称ダイマ-と思われる表面構造が観測されている。通常のバンド計算による表面構造は非対称ダイマ-モデルに基づくものになるが、クラスタ-モデルを用いた量子化学的な計算(GVB等)では電子相関のために対称ダイマ-構造が得られると言う報告もある。我々はスピン密度汎関数法に依って電子相関を考慮した場合に、ダイマ-間の距離が表面及びダイマ-構造にどのような影響を及ぼすのかを調べる目的で薄膜モデルを用いたバンド計算を行った。その結果スピン配列構造による対称ダイマ-構造は安定には得られなかった。この結果はかなり小さいクラスタ-の繰り返し構造を用いたり、意図的に電子相関を大きく取り入れるようにした計算でも変わらなかった。これはLSD近似の限界の問題とも考えられるが、そもそもKohnーSham方程式を用いてGVB計算と同等の電子相関が得られるのかと言う考察を行った。密度汎関数法の原理に立ち帰ってみると電子密度の空間と一体ポテンシャルの空間との一対一対応は必ずしも保証されていない。つまり一体ポテンシャルから得られる電子密度には制限があり、異なる電子間相互作用パラメ-タの取り方や変分空間の制限毎に得られる電子密度の空間は必ずしも一致するとは限らない。一方KohnーSham方程式においては自由電子系の電子密度が相互作用電子系の電子密度と一致できると言う仮定が本質的である。この仮定は上に述べた事情によると常に満たされるとは限らない。GBVの計算で重要な、結合状態と反結合状態の混じりなどを記述するためには、KohnーSham方程式ではなくてAPSG近似等から得られる電子対に対する方程式を基にした密度汎関数法を適用するのが適当と思われる。
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