Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
二酸化炭素の大気ー海洋間の交換に関する研究として,平成3年度に行った主な研究項目は, (1)海水中二酸化炭素分圧測定装置の開発、 (2)備讃瀬戸における海水中二酸化炭素分圧の日変化,季節変化の観測, (3)二酸化炭素の大気ー海洋間の交換量の推定, である。上記3項目について研究実績の概要を以下に述べる。 開発した二酸化炭素分圧測定装置は,赤外線ガス分析計(NDIR),プラスチック製チャンバ-(平衡器),記録計等から構成されている。現在使用している平衡器は,断面積が3cm^2,高さが15cmである。測定装置の特徴は,NDIRを通るキャリヤガスがオ-プン回路になっていることである。このため,回路内の空気による影響をなくし,回路内を加圧系にしなくてよいようになった。今回の測定装置では,二酸化炭素分圧値が0.5μatmの精度で測定可能である。 海水中の二酸化炭素分圧は海水温度の上昇に伴って増加する。また,二酸化炭素分圧値は,昼間低く,夜間高くなるような日変化を示す。この日変化は夏季に顕著で,冬季には小さい。これは海水中のプランクトンの光合成活動の影響を受けていることを示唆している。6月から11月の期間には海水中の二酸化炭素分圧が大気中の分圧より大きく,二酸化炭素が海水から大気中に放出されていることを示すが,12月から翌年の5月までは,海水中の二酸化炭素分圧が大気中の分圧より小さく,二酸化炭素が大気から海水中に輸送されていることを示した。Andrie etalが提案した手法を利用して二酸化炭素の大気ー海洋間の交換量を推定すると, 二酸化炭素は,8月には1.7mーmol m^<-2>d^<-1>だけ大気中に放出され,3月には1.0mーmol m^<-2>d^<-1>だけ海洋中に溶け込んでいることがわかった。
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