Project/Area Number |
03248215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中屋 晴恵 (益田 晴恵) 大阪市立大学, 理学部, 助手 (70183944)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 沖縄トラフ / 熱水変質作用 / スメクタイト / 遷移金属 |
Research Abstract |
研究に用いた沖縄トラフの熱水性堆積物は炭酸塩チムニ-と黄褐色の海底に沈澱した熱水性泥質堆積物である。これらをX線粉末解析により鉱物組成を決定するとともに、ICPを用いて金属元素濃度を定量した。また、熱水とは異なる海底堆積物の通常の続成過程による変質にともなって起こる変質鉱物の形成と元素の挙動を対照調査として同時に行った。 沖縄トラフの熱水性堆積物について得られた重要な知見は次の通りである。1)海底に湧出する熱水から特徴的に形成されるケイ酸塩はスメクタイトである。しかし、炭酸塩チムニ-中には非晶質シリカ以外のケイ酸塩は見い出されない。スメタイト形成のためには熱水のニ酸化炭素分圧は低くなければいけない。たぶん硫水素も同様である。スメクタイトは炭酸塩・硫化鉱物が形成されにくい海底環境下では遷移金属を鉄とともに固定する固相として重要である。2)海底で形成されるスメタタイトのAl/Fe/Mg比は材料物質の持つ比を反映する。ノントロナイトはAlとMgに乏しい熱水から特徴的に沈澱する。3)遷移金属のうちMn,Ni,CoはPbとともに酸水酸化物として沈澱するが、スメクタイト中にも固定される。4)CrとCuはTiと同様に酸化物を形成し、スメタイト中には容易に固定されない。 以上の結果は2月に名古屋大学で行われた海洋フラックスシンポジウムで発表するとともに、現在論文としてまとめている。また、続成過程におけるスメクタイト形成については10月に愛媛大で行われた地球化学会年会で発表するとともに、すでに国際誌に投稿している。
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