Project/Area Number |
03249201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽部 朝男 北海道大学, 理学部, 講師 (90180926)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 星間物質の進化 / 星形成 / 星間雲 / 電離領域の膨張 / 衝撃波 / 自己重力不安定 / 星間磁場 / 減速衝撃波の不安定 |
Research Abstract |
星の形成には外的な作用によって星間雲を自己重力不安定にすることが必要と考えられている。この外的な作用のひとつとして、OB型星の電離領域の膨張がある。これにより星間雲には衝撃波が発生し、それが星間雲を圧縮して高密度層を作りそこで星形成が連鎖的に引き起こされていると考えられている。この過程では、衝撃波とそれによって出来た高密度層が流体力学的不安定、熱力学的不安定、自己重力不安定によって様々に分裂収縮する過程が起きている。最近、衝撃波が減速していることによる不安定性の重要性が指摘されている。従来、これらの不安定性の解析には、おもに線形解析が行われてきた。線形解析によると、自己重力不安定が重要となる時間は衝撃波と高密高層の変化の時間と同程度であることが示され、衝撃波や高密度層の構造の変化を考慮した不安定性の非線形解析が必要と考えられる。このことから、本研究ではス-パ-コンピュ-タ-を用いて系統的にこれらの過程による衝撃波の不安定性を非線形解析によって明らかにした。また、従来よく調べられていなかった減速高密度層の不安定性に対する磁場の影響の線形解析も行った。 その結果、以下のことが明らかになった。電離領域の膨張により形成された衝撃波では、それを通りぬけたガスには〓射冷却がきき、衝撃波の後ろには非常に密度の高い層が出来る。この高密度層の構造を分解できるほどよい分解能の数値計算を行うことで、高密度層が減速系であることに由来した不安定によって重力不安定が影響される様子が明らかになった。数値計算の結果から、揺らぎの成長の仕方と波長の関係を示した。特に、従来の理解よりも高密度層の自己重力不安定性の成長が減速に由来した不安定性によってかなり加速されることが明らかになった。また、この過程に対する磁場の影響も明らかにした。これらは、星形成過程の理解に大きな影響を与える結果であり、論文として投稿中である。
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