Project/Area Number |
03251228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小川 尚 熊本大学, 医学部, 教授 (20040181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 佳代子 熊本大学, 医学部, 助手 (80136720)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | ラット / 大脳皮質 / 味覚 / 多連微小電極 / ビククリン / GABA / 味応答プロフィ-ル / 受容野 |
Research Abstract |
ラット大脳皮質のGI野・DI野に存在する皮質味覚ニュ-ロンはグルタミン酸やGABAに感受性があることを前年度の研究で明らかにした。本年度は、GABAに拮抗するビククリンを局所的に投与して味覚受容特性の変化を調べ、皮質内GABA性抑制ニュ-ロンの味覚情報処理に於ける役割を明らかにすることを目的とした。ウレタンで麻酔したSD系ラットの大脳皮質味覚野から、ビククリンを含む多連微小電極を用いて味覚ニュ-ロン活動を記録した。味刺激は0.1M食塩、0.5Mショ糖、0.01N塩酸、0.2Mキニ-ネを用いた。 記録した味覚ニュ-ロン134個(GI:77,DI:57)のうち97個(GI:59,DI:38)についてビククリン(5ー10nA,稀に20nA)を電気泳動的に投与して味応答特性に対する影響を調べた。この中、25個(GI:15,DI:10)はビククリン投与で初めて味応答を示した。四基本味を横軸に刺激期間中5秒間の放電数を縦軸に取って、味覚ニュ-ロンの応答プロフィ-ルを求めると、GI野14個とDI野11個の応答プロフィ-ルは変化せず、G1野24個とD1野15個のそれは全く変化した。残り8個(G1:6,D1:2)はビククリンで応答えが消失した。23個のニュ-ロンについてビククリン投与前後の受容野の変化を調べた。ピククリンで反答の生じたニュ-ロン(7個)の受容野は舌前半(5個)、切歯孔(1例)または舌後半(1個)にあった。一方、ピククリン投与前より応答のあった16個の87.5%は舌前半に受容野全部または1部を有し、ビククリンで応答の消失したものを除くと、ビククリン投与により多少とも舌前半で受容野の拡大が見られるとともに、舌後部、切歯孔、軟口蓋に受容野が新たに出現し、ビククリン投与で初めて味応答の出現するニュ-ロンの場合と比較してビククリンで出現する受容野の部位に差異があった。 本所見は、大脳皮質内GABAニュ-ロンが味覚受容特性の形成に重要な役割を演じていることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)