Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
1.エリスロポエチン(EPO)受容体のcDNAより予測されたN未端アミノ酸配列をもとに合成したペプチドを抗原とし,単クロ-ン抗体産生ハイブリド-マを作製した。しかし,得られた抗体には,リガンドと強い親和性を示すものはなかった。そこで,可溶型EPO受容体の調製を行い,これを抗原として単クロ-ン抗体作製を行うこととした。まず可溶性EPO受容体cDNAを作製し,発現ベクタ-に組み込み,CHO細胞に導入して安定な形質転換細胞を得た。さらにdhfrによる遺伝子増幅を行いEPO受容体高発現株を得た。この株の培養上清中には,EPO受容体発現細胞への標識EPOの結合を阻害しうる可溶型EPO受容体の存在が確認された。そこで,高発現株を低血清培地中で培養し,その上清をEPOを固定化したアフィニティ-カラムで精製した。精製した可溶性EPO受容体には,N結合型糖鎖が付加されたものと付加されていないものの2種が存在していた。そのN末端のアミノ酸配列を調べたところ,いずれもD'andreaが予想したN末端と1残基ずれていた。また,可溶型EPO受容体には5つのシステイン残基が存在するため,現在その架橋の様式について検討中であり,まもなく細胞外領域の構造が明らかになると思われる。また,精製可溶型EPO受容体を抗原として単クロ-ン抗体を作製している。 2.膜結合型のEPO受容体をBHK細胞で発見させ,EPOとの結合様式を調べたところ,2相性を示した。その原因は糖鎖付加の有無によるのではないかと考え,ツニカマイシン処置したところ,確かに1相性になった。ところが遺伝子上で変異を入れて糖鎖付加を不可能にしたEPO受容体を発現させたところ,予想に反し,2相性を示した。この矛盾する2つのデ-タは,第2のサブユニットが存在し,そのサブユニットの糖鎖の有無が結合様式をきわめていると考えると理解できる。現在,この別のサブユニットの同定につき検討中である。
|