顆粒球の発生の初期に特異的なミエロペルオキシダ-ゼの発現機構
Project/Area Number |
03252207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 道之 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (10076995)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 顆粒球 / 遺伝子発現 / ミエロペルオキシダ-ゼ / レチノイン酸 / DNaseI高感受性部位 / DNAメチル化 / 細胞分化 |
Research Abstract |
ミエロペルオキシダ-ゼ(MPO)は、顆粒球特異的な酵素であり、殺菌作用に関与している。MPOは、顆粒球発生の初期の骨随芽球ではほとんど合成されていないが、前骨随球で急激に合成され、さらに分化が進むと合成を停止する。HLー60細胞は、レチノイン酸(RA)で顆粒球に分化する。この分化誘導にともなってHLー60細胞のMPO合成は停止する。私たちは、顆粒球分における遺伝子発現の調節機構を明かにすることを目的としている。今回は、HLー60細胞のMPO遺伝子の脱メチル化とクロマチン構造について研究した。 HLー60細胞とMPO遺伝子を発現していないK562細胞および胎盤のDNAについてMPO遺伝子のメチル化状態を、DNAメチル化に感受性のHpaIIを用いて解析した。MPO遺伝子転写開始点の3.5kb上流のCCGGのCGは、K562細胞や胎盤ではメチル化されていたが、HLー60細胞ではメチル化されていなかった。この脱メチル化は、MPO遺伝子の組織特異的発現と関連していることが示唆される。 HLー60細胞とK562細胞のクロマチン構造の違いをDNaseIを用いて解析した。HLー60細胞のMPO遺伝子には、DNaseIで切断され易い高感受性部位(HS)が7ケ所検出された。このうち、4ケ所は遺伝子流域に、3ケ所は遺伝子内に存在した。なかでも、転写開始点の周囲の2つはとくに強い感受性を示した。HLー60細胞をRAで処理すると、この2つのHSは弱くなり、第5イントロンのHSは強くなった。K562細胞のMPO遺伝子のDNaseI感受性は、どれも全体に低下していた。これらのHSはMPO遺伝子の発生特異的発現調節と関連していることが示唆される。これらの知見をもとにMPO遺伝子の転写調節のシス-エレメントと転写因子の研究を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)