ストロ-マ細胞による骨髄系前駆細胞の増殖・分化制御機構に関する研究
Project/Area Number |
03252208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 良男 大阪大学, 医学部, 講師 (30158852)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | ストロ-マ細胞 / GMーCSF / ILー3 / CーKit / Stem cell factor / 増殖 / 分化 / 血液幹細胞 |
Research Abstract |
ヒト急性巨核球性白血病細胞より樹立された細胞株(M07)は、GMーCSFやILー3依存性に増殖し骨髄系前駆細胞の良いモデルとなる。骨髄系前駆細胞の周囲には線維芽細胞、内皮細胞、脂肪細胞、マクロファ-ジなどのストロ-マ細胞が存在している。これらストロ-マ細胞の骨髄系前駆細胞に対する影響を解析するため、マウス線維芽細胞(Balb/3T3)とM07細胞の共生培養を行った。この共生培養によりM07細胞の増殖が促されたが、M07細胞の増殖刺激活性は線維芽細胞の培養上清中(FCM)にも検出された。このFCMによるM07細胞の増殖は、チロシンキナ-ゼ阻害剤ゼニスチンにより完全に阻害され、FCMによる増殖にはチロシンキナ-ゼの関与が示唆された。抗リン酸化チロシン抗体ならびに抗cーkit抗体を用いた解析により、FCMによるM07細胞の増殖にはcーkit蛋白のチロシンリン酸化と活性化が重要な役割を担っている事が明かとなった。FCMの代わりに線維芽細胞細胞表面に発現されているcーkitリガンド[stem cell factor(SCF)]を用いても同様の知見が得られた。これらの結果は、ある種のAML細胞の増殖にcーkitを介する機構が存在することを示唆した。そこで、AML細胞を用いてcーkitの発現を検討した。AML25例中20例(80%)にcーkitのmRNAと蛋白の発現が認められた。しかし、cーkitの発現とFAB分類あるいは病像の間に有意の相関は認められなかった。cーkit蛋白を発現している11例のAML中6例でSCFはAML細胞の増殖を促し、しかもGMーCSFとの相乗効果が認められた。また、SCF刺激前より12例中7例に軽度ではあるがcーkit蛋白のチロシンリン酸化が認められた。以上のことよりストロ-マ細胞は、GMーCSF等の造血因子ばかりでなくcーkitリガンドを介し正常造血ばかりでなく腫瘍性の骨髄性前駆細胞の増殖・分化に関与していると考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)