負荷に対する心筋の細胞内応答機構の分子生物学的解析ーイオン移送系を中心に
Project/Area Number |
03253203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部(病)・第3内科, 教授 (20101090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 良三 東京大学, 医学部(病)・第三内科, 講師 (60207975)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 心筋細胞 / 肥大 / シグナル伝達 / Na‐H逆輸送担体 |
Research Abstract |
心筋細胞は休むことなく収縮と弛緩を繰り返す駆動ポンプであるが、単に筋フィラメントの集合体ではなく、メカニカルストレスに対するバイオセンサ-としての機能もはたしている。われわれは培養心筋細胞のin vitro伸展モデルとin vivo圧負荷心筋を用いて、心筋細胞に対するメカニカルな刺激がいかなるシグナル伝達を介して心肥大を形成するかを検討した。すなわちラット胎児より心筋細胞を分離してシリコン製のディッシュで培養し、サブコンフルエント状態でディッシュを約10%伸展後、細胞内の蛋白合成率とMAPキナ-ゼの活性を測定した。蛋白合成は細胞伸展後、約25%亢進し、平衡状態に達した。MAPキナ-ゼの基質となるMBPのリン酸化は約50%増大したが、抗MAPキナ-ゼ抗体によって免疫沈降を行うと、MAPキナ-ゼ自体の活性化とともにCキナ-ゼが著明にリン酸化されることが明かとなった。以上の結果は、Cキナ-ゼとMAPキナ-ゼ双方の活性化が、伸展刺激による蛋白合成亢進や心筋特異的遺伝子発現において、重要な情報伝達系として役割を担っていることを示している。一方、最近、細胞内pH調節に重要なNa‐H逆輸送担体の活性亢進が心肥大の形成にも深く関与していると言われている。本研究において、我々は、心筋肥大時にNa‐H逆輸送担体はCキナ-ゼによってリン酸化を受け活性化する。今回の結果は、心筋に対する圧負荷→Cキナ-ゼとMAPキナ-ゼの活性化→蛋白合成の亢進、だけでなく、圧負荷→Cキナ-ゼ活性化→Na‐H逆輸送担体遺伝子の転写亢進と担体蛋白のリン酸化による活性化、という経路も存在することを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)