Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 維紹 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (50133616)
渡辺 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
藤井 義明 東北大学, 理学部, 教授 (00098146)
岩渕 雅樹 京都大学, 理学部, 教授 (30000839)
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Budget Amount *help |
¥147,500,000 (Direct Cost: ¥147,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥147,500,000 (Direct Cost: ¥147,500,000)
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Research Abstract |
31グル-プにより,多様な研究系において解析が行なわれた。研究は二つに大別することができる。 1)研究の主体は,フィブロイン,セリシン,インタ-フェロン,クリスタリン,ヒストンなど各種細胞の特異性を代表するタ-ゲット遺伝子群についての解析からはじめ,その転写制御に関わるtransーacting factorsの同定へと進み,ついでfactorsをクロ-ニングすることによってその性質と機能を明らかにして行くものである。ヒストンH3遺伝子に作用するHBPー1aに例をとると,HBPー1aは本来positive factorであるが,過剰生産されると他の因子をsquelchingし,結果としてnegative効果を示すという興味ある結果が得られている。インタ-フェロン遺伝子は,通常IRFー2によって転写抑制の状態にあるが,IRFー1を遺伝子導入によって一過性に発現させるとわずかな転写活性化に至る。この状態でウイルス感染刺激を与えるとIRFー1がリン酸化を受け,このリン酸化IRFー1がインタ-フェロン遺伝子を著じるしく転写活性化することが明らかとなった。研究の到達度にはバラツキがあるが,80種に及ぶ転写制御因子がクロ-ン化されて,その構造と機能の研究が進んでいる。 2)ホメオボックス遺伝子の産物が転写制御因子であることが示されて以来,各種動物におけるホメオボックス遺伝子の研究が白熱化して来ている。BarH1,BarH2,Choxー1.4,Hox3.5など枚挙にいとまもない程の対象について,転写制御因子としての性質の解析が行なわれている。 以上のように,制御の下位から上位へ,また上位から下位への研究の展開によって制御のネットワ-クが徐々に明らかになりつつあり,この面から,細胞特異性の決定と実現についての分子的基盤を与えていくことができるものと思われる。
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