Project/Area Number |
03254204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 矩行 京都大学, 理学部, 助教授 (30025481)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 細胞分化 / 表皮細胞 / 特異的遺伝子 / 分化決定因子 / 転写制御因子 / 卵核胞 / モノクロ-ナル抗体 |
Research Abstract |
ホヤのオタマジャクシ幼生の発生にともなって、正確に800個の表皮細胞が分化する。その細胞系譜は完全に解明されており、また予定表皮細胞は高い自律分化能を保待していることから、ホヤ胚の表皮細胞分化は内在的遺伝子プログラムにそった分化決定機構を分子生物学的に解析するための優れた研究系と考えらる。そこで、表皮特異的遺伝子の解析および内在的細胞質因子の解析を通してこの問題にアプロ-チした。 1.表皮細胞特異的遺伝子の単離:卵割を連続的に阻害されたマボヤの受精卵は表皮細胞の分化形質のみを発現することが知られていた。そこで卵割阻害受精卵のcDNAライブラリ-を作り、受精卵cDNAプロ-ブとのディファレンシィアル・スクリ-ニングより卵割阻害受精卵特異的cDNAクロ-ンを20個得た。これを解析したところ少くとも8個は正常胚の表皮細胞にのみ特異的に発現する遺伝子に相当するものであることが分かった。さらにこれら8つの遺伝子の時間発現パタ-ンを調べたところ、(1)嚢胚期に発現し変態とともに停止する、(2)嚢胚期に発現し変態後も発現し続ける、(3)未受精卵からわずかに転写産物が存在し嚢胚期に転写産物は急激に増加し変態後消失する、(4)未受精卵から存在し嚢胚期に増加し変態後も存続する、の4つのパタ-ンに分けられることがわかった。現在これら8つのcDNAの塩基配列の決定を急ぐとともに、ゲノムDNA単離の準備を進めている。 2.内在的因子の解析:表皮細胞分化の決定に関わる因子と卵核胞物質との関係が示唆されている。そこで卵核胞物質に対するモノクロ-ナル抗体を作製したところ、3つの抗体クロ-ンが得られた。その中の一つのcDNAを単離・解析したところ、N1と呼ばれるヒストン結合能をもった核タンパク質であることがわかった。現在さらに抗体のレパ-トリ-を広げるべく研究を続けている。
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