デアミノノイラミン酸(KDN)を含む糖脂質ーKDN‐ガングリオシドーの検索と機能
Project/Area Number |
03255203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 康男 東京大学, 理学部, 助教授 (30004336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 健 東京大学, 理学部, 助手 (80192558)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | デアミノノイラミン酸 / KDN / KDN‐ガングリオシド / 抗KDN‐単クロ-ン抗体 / シアル酸アナログ / KDNスフィンゴ糖脂質 / KDN複合糖質 / 糖鎖生物学 |
Research Abstract |
1986年に我々は生体構成単糖残基としてノイラミン酸のアミノ基が水酸基で置換されたデアミノノイラミン酸(KDNと略称)をニジマス卵ポリシアロ糖タンパク質に発見した。KDNは従来他例のないシアル酸の新規なアナログである。1987ー1990年には、局在・タイプ・機能を異にするKDN‐含有糖タンパク質を見出した。1989年呼吸器疾患を起こす細菌の莢膜多糖にYu.A.KnirelらはKDN残基の存在を報告した。フランスのグル-プが魚類以外の動物種にKDNを見出していることを知った(第11回国際複合糖質シンポジウムー1991年7月トロントーでDr.G.Streckerから聞く)。従って、広範な動物組織・細胞にKDNを含む複合糖質の存在を示唆し、表記課題研究の妥当性を意味しており、平成3年度には以下の諸成果を挙げた。 (1)KDN‐ガングリオシドの検索・発見と構造決定:前年度に、KDN‐ガングリオシドの存在を予見し検索の結果、平成2〜3年度にかけてニジマス精子に(KDN)GM3の検出・完全化学構造解析に成功した。その成果は1991年2月のゴ-ドン研究会議、上記第11回国際複合糖質シンポジウムでの招待講演で発表し、J.Biol.Chem.に公表した。この発見は糖鎖生物学における画期的な発見であり、(KDN)GM3を用いた複数の国際共同研究を既に始めている。その後、卵巣液に(KDN)GD1aなどを見出し、単離精製・構造決定を行なっている。 (2)抗KDN‐単クロ-ン抗体の産生:(KDN)GM3を抗原として用い、KDN糖鎖に特異的な単クロ-ン抗体の産生に成功した。今後はこの抗体をはじめ種々のKDN糖鎖構造に特異的な抗体を得、これらを用いてヒトの種々の組織・細胞などにおけるKDN複合糖質の微量発現の有無を調査する[カリホルニア大・医のDr.F.A.Troyらとの共同研究]。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)