新しい作用機構をもつ海洋共生微生物由来の抗がん物質の開発
Project/Area Number |
03258201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 淳一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90221241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁森 英幸 北海道大学, 薬学部, 助手 (70202108)
石橋 正己 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90212927)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 共生微生物 / 抗がん物質 / マクロライド / 渦鞭毛藻 / アンフィジノライド / 培養 / ヒラムシ / 殺細胞活性 |
Research Abstract |
新規抗腫瘍性マクロリド化合物であるAmphidinolide BとCが得られた渦鞭毛藻Amphidinium sp.について、これらの抗腫瘍性物質の収量の増加をはかるために培養条件を種々検討した。また、この渦鞭毛藻に共生するバクテリアを分離し、この共生菌による抗腫瘍性物質の産生能を調べた結果、分離した1株に顕著な殺細胞活性が認められた。今後、この株より殺細胞活性成分の分離を検討する予定である。一方、沖縄産のヒラムシAmphiscolops magniviridisより分離した渦鞭毛藻Amphidinium sp.の培養藻体から、新規マクロライド化合物としてAmphidinolide Fを単離した。Amphidinolide Fは、Amphidinolide Cと同一のラクトン環をもち、側鎖部分の構造が一部異なるだけであるが、その殺細胞活性はAmphidinolide Cの1/1000に減少していることが明らかとなった。この結果は、マクロライド構造の一部が変化しただけで活性が大きく変化することを示唆しており、殺細胞活性と構造との相関を考える上で興味深い。沖縄産の別種のヒラムシAmphiscolops breviviridisの共生藻Amphidinium sp.の培養藻体から、新規マクロライド化合物としてAmphidinolide GとHを単離した。Amphidinolide GとHは、マウス白血病細胞L1210ならびにヒト上皮がん細胞KBに対してin vitroで顕著な殺細胞活性(IC_<50>,0.5〜6ng/ml)を示し、Amphidinolide Bと同一の母核をもつマクロライド化合物である。今後、これらのマクロリド化合物のin vivoでの抗腫瘍活性を検討する予定である。他に、沖縄産のホヤEudistoma cf.rigidaより単離した抗腫瘍性マクロリド化合物Iejimalide AとBの硫酸エステル体として、Iejimalide CとDを分離した。今後この群体ボヤから、これらの化合物を産生する内在性の微生物の分離を検討する予定である。また、魚の消化管より分離した真菌Penicillium fellutanumより、殺細胞活性を示すペプチド化合物Fellutamide AとBを単離した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)