肝癌における遺伝子の構造・活性の変化とB型肝炎ウイルス感染
Project/Area Number |
03258221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瀧本 将人 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (30179585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釣本 敏樹 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (30163885)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
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Keywords | B型肝炎ウイルス(HBV) / 肝癌 / ゲノムDNA / 二次元電気泳動 / transーactivation / X領域 / PreS / S領域 |
Research Abstract |
HBVの肝細胞への感染に始まりHBVDNAの宿主ゲノムへの組み込みから、慢性肝炎、肝硬変を経て肝癌に到るまでには、宿主ゲノムDNAや遺伝子には、その構造、発現度に多くの変化が生じていると予想される。本研究ではこの変化を明らかにするため以下に述べる二つの実験を行った。第一は、二次元電気泳動法を用いた肝癌細胞ゲノムDNAの解析である。これはゲノムDNA中のNot1部位を放射性ラベルし、数多くのNot1部位近傍の変化を一度に検索する方法である。この方法を用いて、原発肝癌5例につき癌部と非癌部とを比較したところ、癌部においと著しいシグナル増強が認められるスポット(Not1部位を有するゲノムDNA断片)が二つ検出された。同様に癌部においてシグナルの減少又は消失が認められるスポットが5つ検出された。これらのスポットの変化は症例間で共通して認められるものが多かった。第二は、原発肝癌細胞に組み込まれたHBVDNA integrantによる、種々の細胞遺伝子へのtransーactivation効果の解析である。昨年度までに、HBVDNA integrantをその近傍の細胞DNAと共にclone化し、その中にtransーactivation活性を有するものがあることを示してきた。本年度は、強い活性があるcloneにつき、活性がHBVDNA部分でもX領域に活性があるのか否か,またはそれ以外の部位に活性を示す部位がないかについて、検討した。種々のdeletion mutantを作製し、これを用いてCAT assayを行った。DA2ー6cloneについては、HBVDNAのX領域が、transーactivation活性を担うと考えられた。また他のcloneの中で、活性がPres/S領域に担われていると考えられるものが存在した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)